大相撲九州場所14日目(23日・福岡国際センター)
○琴桜(上手投げ)大の里●
横綱だった祖父のしこ名を継いだ琴桜が大関5場所目にして悲願の初優勝に向け、また白星を積み上げた。関脇で横綱・照ノ富士との優勝決定戦に進んだ1月の初場所以来の13勝をマークし、「落ち着いて取り切ることだけを考えた」。
この日は年間最多勝を争う新大関・大の里が相手だった。立ち合いから巨漢同士の体がぶつかり合う。右を差されたが、気合十分の琴桜はしっかり得意の左上手をつかんでいた。相手が寄って出てきたところを慌てず、「反応してくれた」と振り回すような上手投げ。大の里は何もできずに土俵の外に飛び出した。琴桜は、大の里と並んでいた今年の勝ち星を65勝として年間最多勝を確定させた。
結びでは、元横綱・朝青龍を叔父に持つ豊昇龍も負けじと気合をみなぎらせて霧島をつり出し、自己最多の13勝目を挙げた。
千秋楽は照ノ富士が不在の今場所、最高位の2人による相星決戦になる。大関同士の千秋楽相星決戦は2003年名古屋場所の魁皇―千代大海以来のことだ。初の賜杯に向け琴桜は「意識しようがしまいが変わらない。しっかりやれば結果はついてくる」と語り、8場所ぶりの優勝がかかる豊昇龍は「落ち着いて強い相撲を取る」と意気込んだ。【武藤佳正】
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