日本―台湾(23日・東京ドーム)
直前の試合結果を受けて試合前に決勝進出が決まった「侍ジャパン」。前日と大きく様変わりして臨んだ打線に火を付けたのが、リードオフマンに抜てきされた村林一輝(楽天)だった。
一回、2ボールからの3球目だった。内角低めの変化球を拾い上げると、ライナー性の打球が左翼ポール際へ。そのままスタンド最前列に飛び込む先頭打者本塁打になり、「積極的にいった結果が最高の形になった」と喜んだ。
ダイヤモンドを一周しながら、自身も少し驚いたような表情を見せたのも無理はない。プロ入り9年目の今季、自己最多の139試合に出場した。初めてシーズンを通してレギュラーを守り、追加招集となった日本代表も初めてだ。現役の通算本塁打は今季の6本を含めてわずか9本で、決して長距離打者とは言えない。今大会は18日のドミニカ共和国戦で先発出場したが、6打数無安打に終わった。
ただ、「伏兵」の代表初安打となる一発に、チームは勢い付いた。後続が連続四死球で好機を作ると、今大会は4番で活躍する森下翔太(阪神)が三塁線を破る2点適時二塁打。さらに、こちらも2次リーグは控えに回っていた紅林弘太郎(オリックス)の犠飛で一回から4点を奪った。
翌日の決勝戦で再戦が決まっている台湾が相手なだけに、主力を温存して手の内を明かさない意図があったかもしれない。だが、結果的に選手層の厚さを示す攻撃を見せ、明るい材料がまた一つ増えた日本代表が「オールジャパン」で運命の決勝戦に挑む。【川村咲平】
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