東京デフリンピックは来年11月15日から12日間の日程で行われます。

18日は、およそ30の国や地域の選手団の代表が大会本番で使用される都内の競技会場を視察しました。

一行は、世田谷区にある「駒沢オリンピック公園総合運動場」を訪れ、日本語の手話を国際手話に通訳してもらいながら、陸上競技場では、大会期間中は聴覚に障害のある人に向けてモニターを設置し、場内アナウンスの情報を文字で表示したり手話通訳者を映し出したりするという説明を受けていました。

このあと、ハンドボールが行われる屋内球技場も視察し、コートをどのように設置するのかなど、1年後に迫った本番に向けた情報を収集していました。

ハンドボールで金メダルを獲得した経験のあるクロアチア選手団の代表は「視察をして、すばらしい大会になるという確信を得た。コミュニケーションのために手話通訳が大切になることも踏まえて準備してほしい」と話していました。

デフリンピック準備運営本部の北島隆 ゲームズマネジメントオフィサーは「いい準備ができていると喜ぶ声がたくさんあった。聴覚障害者のためのバリアフリーをさらに進める大会にしたい」と話していました。

デフリンピックとは

デフリンピックは聴覚障害のある人たちのスポーツの国際大会です。

オリンピックとパラリンピック、それに知的障害者のスポーツの国際大会、スペシャルオリンピックスとともに、IOC=国際オリンピック委員会の公認大会となっています。

オリンピックなどと同じく、夏と冬の大会がそれぞれ4年に1回行われ、第1回の大会は夏が1924年にフランスのパリで、冬は1949年にオーストリアのゼーフェクトで開催されました。

これまでに日本で開かれたことはなく、来年の東京での開催が初めてです。

競技は基本的にオリンピックと同じルールで行われますが、選手全員が平等に聞こえない状況でプレーするという公平さを保つため、練習も含めて補聴器を付けることは禁止されています。

パラリンピックと違い、障害のクラス分けはありません。

一方、陸上や競泳ではスタートの合図でランプを用いるなど、聴覚の代わりに視覚で情報を補う方法で競技が運営されます。

東京デフリンピック 参加人数や競技会場は

来年11月15日から26日までの12日間の日程で行われる東京デフリンピックは、夏と冬を通じて初めて日本で開催されます。

夏の大会は25回目の開催で、デフリンピックが始まってから100周年となる節目の年に行われます。

大会には、70から80の国と地域からおよそ3000人の選手が参加する見込みで、17の会場で21競技が行われます。

▽渋谷区の東京体育館では、開会式と閉会式のほか、卓球が行われます。

▽世田谷区の駒沢オリンピック公園総合運動場では、陸上とハンドボール、それにバレーボールの3つの競技が行われます。

▽大田区では大田区総合体育館でバスケットボール、大森ふるさとの浜辺公園でビーチバレーが行われます。

▽江東区では、有明テニスの森でテニス、東京アクアティクスセンターで競泳のみが行われる水泳、若洲ゴルフリンクスでゴルフが行われます。

▽足立区の東京武道館では柔道と空手、

▽北区のナショナルトレーニングセンター・イーストでは射撃、

▽中野区立総合体育館でテコンドーが行われます。

▽調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザではバドミントン、

▽府中市立総合体育館ではレスリングのフリースタイルとグレコローマンがそれぞれ別の競技として行われます。

▽東大和市の東大和グランドボウルではボウリング、

▽千代田区の日比谷公園と伊豆大島では、地図とコンパスを活用しながら山などに設置されたチェックポイントを順番に通過し、ゴールに着くまでの速さを競う「オリエンテーリング」が行われます。

また、東京以外では、
▽静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターで自転車のロードとマウンテンバイクがそれぞれ別の競技として行われ、
▽福島県の楢葉町と広野町にまたがる「Jヴィレッジ」でサッカーが行われます。

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