米ロサンゼルスの連邦地検は11日、銀行詐欺容疑で大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手(29)の元通訳、水原一平容疑者(39)を訴追したと発表した。違法賭博の借金を返済するため、大谷選手の口座から胴元側に1600万ドル(約24億5千万円)以上を不正に送金したされる。
2人の間に何があり、連邦地検はどんな犯罪事実を認定したのか。36ページにわたる起訴状を紹介する。(デジタル編集部・吉田通夫)大谷翔平の隣で通訳する水原一平容疑者=2月3日、ドジャースタジアムで(AP)
起訴状と宣誓供述書の要旨は以下の通り。(一部、本紙の判断で内容をわかりやすくするために説明や見出しを加えたりしたほか、省略している部分があります) 起訴状
水原一平容疑者は2023年6月20日ごろ、カリフォルニア州ロサンゼルス郡その他で、銀行詐欺の違反行為を行った。 この刑事訴追は以下の事実に基づく:宣誓供述書を参照 宣誓供述書
I.目的
1.この宣誓供述書は、水原一平容疑者の、銀行詐欺を巡る起訴状と逮捕状を補完するために作成された。 2.この宣誓供述書に記載された会話および供述は、事実的および部分的であり、すべての金額または総額は概算であり、すべての日付および時刻は示された通りかその前後である。
II. 検察官の経歴(略)
3.略
◆大谷氏「送金を承知していない」
水原一平容疑者の訴追について会見するマーチン・エストラダ連邦検察官=4月11日、ロサンゼルスで(AP)
III. 概要
4.2021年11月から2024年1月までに、1600万ドル(約24億5千万円)が、プロ野球選手である被害者A(大谷翔平氏)の預金口座から、A銀行に移された。これらの資金は、違法なスポーツ賭博の胴元の関係者の口座に送金された。 5.大谷氏は事情聴取で、送金を承認していないと述べた。 6.大谷氏の口座からの送金は、水原容疑者に関連するデバイスおよびIPアドレスから行われた。水原容疑者は最近まで大谷氏の通訳および事実上のマネージャーとして雇用されていた。水原容疑者の携帯電話のテキストメッセージによれば、容疑者は2021年9月に胴元が運営する違法なギャンブルを始め、2021年後半には多額の損失を出し始めている。
◆大谷氏の連絡先情報が変更され…
A銀行の記録によれば、同時期に大谷氏の口座の連絡先情報が変更され、水原容疑者の電話番号および容疑者に関連する匿名の電子メールのアドレスがリンクされた。 7.A銀行が作成した大谷氏の口座に関連する電話では、水原容疑者が大谷氏だと偽り、A銀行の行員をだまして大谷氏の口座から胴元の関係者に送金を承認させようとする様子が録音されていた。 8.A銀行の記録によれば、水原容疑者は大谷氏になりすまして大谷氏の口座にアクセスし、胴元の関係者に送金した。特に、2023年6月20日には、水原容疑者は50万ドル(約7600万円)を送金した。 9.最終的に、2024年3月20日に、水原容疑者は胴元にテキストメッセージを送り、大谷氏から資金を盗んだことを認めた。 ▶次ページ:水原容疑者と胴元らとの詳細なやりとり を読む前のページ
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