目次
-
注目
参加した45選手一覧
12球団の合同トライアウトは戦力外を通告された選手たちが新たな所属先を求めて各球団の編成担当者にアピールする場で、多くのファンが詰めかける中、千葉市にあるロッテの本拠地、ZOZOマリンスタジアムで行われています。
ことしは▽日本ハムや巨人で活躍した37歳の陽岱鋼選手や、▽広島のリーグ3連覇に貢献した31歳の岡田明丈投手など45人が参加しています。
トライアウトでは実戦形式のシートバッティングが行われ、ピッチャーはバッター2人に投げ、野手は4打席から5打席に立つ形で進められます。
参加した選手は今後、興味を持った球団から獲得のオファーや入団テスト受験の連絡を待つことになります。
トライアウトを巡ってはことし8月に主催するNPB=日本野球機構が、トライアウトの結果だけで各球団が選手の獲得を決定することはほとんどなくなっていることから一定の役割を終えたとして、来年以降の開催を見合わせたいとする考えを日本プロ野球選手会に伝えています。
このため、今回が現行の方式での最後の開催となる可能性があります。
これを受けて選手会では独立リーグや社会人野球へのあっせんを目的としたトライアウトを開催することも検討していて、来月開かれる総会でも議論することにしています。
- 注目
参加した45選手一覧
《セ・リーグ》
(▼の選手はNPBの最終所属球団)
巨人(9人)
▽鈴木康平投手(30)▽菊田拡和選手(23)▽小沼健太投手(26)▽笠島尚樹投手(21)▽川嵜陽仁投手(21)▽前田研輝選手(25)▽加藤廉選手(25)▼陽岱鋼選手(37)▼加藤脩平選手(25)
陽選手は日本ハムや巨人でプレーしプロ通算1164安打で盗塁王1回、ゴールデングラブ賞には4回に輝き、現在は、今シーズンからプロ野球の2軍に参入したオイシックスに所属しています。
DeNA(2人)
▽村川凪選手(26)▽高田琢登投手(22)
広島(6人)
▽岡田明丈投手(31)▽曽根海成選手(29)▽内間拓馬投手(25)▽藤井黎來投手(25)▽新家颯投手(21)▼行木俊投手(23)
岡田投手はプロ通算24勝をあげ広島のリーグ3連覇に貢献しました。
ヤクルト(2人)
▽尾仲祐哉投手(29)▽西田明央選手(32)
中日(3人)
▽上田洸太朗投手(22)▽三好大倫選手(27)▽福島章太投手(22)
《パ・リーグ》
(▼の選手はNPBの最終所属球団)
ソフトバンク(4人)
▽瀧本将生投手(21)▽佐藤宏樹投手(25)▽小林珠維選手(23)▽中村亮太投手(26)
日本ハム(2人)
▽齋藤伸治投手(26)▽柿木蓮投手(24)
ロッテ(7人)
▽東條大樹投手(33)▽吉田凌投手(27)▽菅野剛士選手(31)▽古谷拓郎投手(24)▽白濱快起投手(20)▽黒川凱星選手(20)▼島孝明投手(26)
楽天(5人)
▽高田孝一投手(26)▽櫻井周斗投手(25)▽吉川雄大投手(27)▽清宮虎多朗投手(24)▼菅原秀投手(30)
オリックス(2人)
▽中田惟斗投手(23)▼谷岡楓太投手(23)
西武(3人)
▽伊藤翔投手(25)▽鈴木将平選手(26)▽高木渉選手(24)
トライアウト 過去には新庄剛志監督も参加
20年以上にわたって続けられてきたトライアウトは近年、戦力外を通告された選手が現役生活に区切りをつける場として臨む側面もあり、この場でアピールして他球団との契約に結びつけるケースは極めて少なくなっていました。
かつて、戦力外となった選手が再びプロの舞台で活躍するチャンスを得るためには球団ごとの入団テストなどを経る必要がありました。
しかし、各球団で入団テストが開かれることにより、日程が重なって参加できないケースや戦力外通告を受けた時点ですでに入団テストが終わっていることもあるなどテストを受ける機会が限られていました。
このため、日本プロ野球選手会の要望もあって2001年から合同トライアウトの形が取られるようになりました。12球団による持ち回りで毎年開催され、開始からしばらくは年2回行われていましたが、2015年からは年1回の開催となり、ことしで24年目になります。
これまでに開催されたトライアウトでは、毎年、数十人の選手が参加して注目を集め、一定の実績を残した選手が他球団との契約にこぎつけたケースも見られました。
▽2016年には巨人で活躍し、DeNAに移籍したあと戦力外になった久保裕也投手が楽天に、▽2018年には巨人を戦力外になった中井大介選手がトライアウトを経てDeNAに入団しました。
また、4年前にはソフトバンクを戦力外になった小澤怜史投手がトライアウトを経てヤクルトと契約し、先発やリリーフとして移籍後に通算14勝を上げるなど結果を残しています。
この年のトライアウトでは、34歳で引退した日本ハムの新庄剛志監督が48歳で現役復帰を目指してトライアウトに参加し、ヒットを打つなど大きな話題を呼びました。
近年は引退試合の意味合いも…
一方でトライアウトを経て契約に至ったケースは最近ではごくわずかに限られ、各球団にとってはその重要性が以前に比べて低下しているのが実情です。
各球団の編成部門にはシーズン中にプロの選手を視察する「プロスカウト」がいて、1軍や2軍の試合をチェックしています。このため、他球団を戦力外になった選手について、トライアウトを行う以前に獲得を決めているケースも多く、「普段から全部見てるから、トライアウトの1打、1球で決めることはもうない」と話す球団関係者もいます。
選手にとってもトライアウトは他球団との契約を目指すための場というだけではなく、中にはプロの世界で思うような活躍を見せることができなかった選手が自身の野球人生に区切りをつけるために参加するなどその意味合いも徐々に変化してきました。
また、社会人チームや独立リーグなどの関係者も訪れることから現役続行を望み、こうしたチームでのプレーも視野に入れる選手にとって顔見せの場という側面も年々増してきています。
こうした背景からNPB=日本野球機構は来年以降の開催については選手会中心で開催すべきではないかと提案しました。選手会としても戦力外となった選手のセカンドキャリアにつなげるためにも何らかの場は必要と考えていて社会人・独立リーグへのあっせんを含めた新たな形にするべきか12月の総会で議論するとしています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。