野球の国際大会「プレミア12」は12の国と地域が参加して9日に開幕し、世界ランキング1位の日本は、初優勝を果たした前回に続く大会連覇を目指し今月13日にオーストラリアとの初戦に臨みます。

大会を前に日本は、9日夜に続きバンテリンドーム ナゴヤで世界ランキング14位のチェコ代表との強化試合に臨みました。

日本は、9日打線が5回まで1得点と苦しみましたが、この試合は1回、4番に入った阪神の森下翔太選手がツーランホームランを打って先制しました。

2点リードの7回には、代走で出場した日本ハムの俊足、五十幡亮汰選手が持ち味を発揮して2つの盗塁で三塁まで進み、内野ゴロの間にホームにかえってリードを3点に広げました。

8回には、9日スリーランホームランを打った楽天の辰己涼介選手のタイムリーツーベースなど打者10人の猛攻で一挙、6点を奪って突き放しました。

投手陣は、先発した楽天の早川隆久投手が2回で三振5つを奪う好投で流れを作ると、その後もセ・リーグで最多奪三振のタイトルを獲得した巨人の戸郷翔征投手などの小刻みな投手リレーでチェコ打線につけいる隙を与えませんでした。

日本は7人のピッチャーがヒット5本に抑え、17個の三振を奪う完封リレーをみせて9対0で勝ちました。

日本は、この2試合で打線が合わせてヒット22本を打ったほか、投手陣は2試合で1失点と好投し格下相手ながら大会に向けて順調な仕上がりを見せました。

チームはこのあとも名古屋に残って調整を続け、13日にバンテリンドーム ナゴヤで行われる1次リーグの初戦、オーストラリア戦に備えます

井端監督「やりたいことをできて満足」

日本代表の井端監督は、7回に代走の五十幡選手が2つの盗塁でチャンスを作った場面を振り返り「次の1点が非常に大事になってくる中で、勝負をかけにいった。結果的に点が取れてよかった」とこの試合のポイントになったと話していました。

そのうえで「勝てたことに満足しているが、この2試合でやりたいことを一とおりできたことの方が満足している」と話し、選手起用や戦術面での手応えを口にしていました。

そして13日の大会本番に向けては「国際試合の初戦がタフになるのは自分も経験しているのでわかっている。点を取れるときに取って、むだな失点をしないようにしていけばいい結果が出ると思う」と意気込みを語りました。

一方、この試合で4番に入り先制のツーランホームランを打った森下選手は「どの打順を任されてもいける準備はできていた。うまくバットの芯に当たって最高の結果になった。いい状態で大会に入れると思うのでここからしっかり準備していきたい」と13日の初戦を見据えていました。

2盗塁の五十幡選手「走塁でチーム勢いづけたい」

7回に代走で出場し2つの盗塁を決めたあと追加点のホームを踏んだ日本ハムの五十幡亮汰選手は1つ目の盗塁について「相手の左ピッチャーの右足がクロスしていたのでけん制はないと判断してスタートしたが、けん制球が来てしまったので二塁に行くしかないと思って走った。国際試合ではボークはとられにくいと聞いていたが難しく、いい勉強になった」と振り返りました。

また、二塁に進んでから2球目に三盗を決めた場面は「本当は1球目から行きたかったが首の動きなど様子を見た」と説明しました。

そして、「大会が始まると、より緊張感も高まるし、僅差の展開も多いと思う。そういう場面で出番が来ると思うので準備して自信を持ってスタートを切りたい。自分の走塁や得点でチームを勢いづけられるように頑張りたい」と意気込んでいました。

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