決勝で相手を攻める福岡大の河野百響四段(右)=愛知・春日井市総合体育館で2024年11月10日、牧野大輔撮影

第43回全日本女子学生剣道優勝大会決勝(10日、愛知・春日井市総合体育館)

○福岡大2―2(代表勝ち)筑波大●(福岡大は初優勝)

 「まるで夢を見ているようで……」

 筑波大との決勝で代表戦までもつれ込む大一番を制し、河野百響四段(3年・福翔)は、感無量の表情を浮かべた。

 代表戦の相手は昨年、個人日本一を決める全日本女子学生選手権を制し、今夏にはイタリア・ミラノで開催された世界選手権の日本代表にも選ばれた川合芳奈(かんな)四段(4年・東海大静岡翔洋)だった。

 格上の相手に対し、開始直後から攻め込まれた。しかし、気持ちで引くと、すきを突かれると考え、果敢に攻めた。狙っていた得意の引きドウで一本を取り、勝負を決めた。

 福岡県は中村学園女子高や福岡大大濠高など全国屈指の強豪校がそろうが、トップクラスの選手の多くは卒業後、関東の大学に進学していく。福岡大も第5回大会で3位に入った以降は、上位に食い込めなかった。

 決勝に出場した5人全員が福岡の高校出身だった。主将の石井舞優四段(4年・福翔)は「先輩たちが行けなかったところに行けた。地元、福岡大を選んで本当に良かったです」と涙で声を詰まらせながら語った。 【牧野大輔】

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