【DeNA-ソフトバンク】二回裏DeNA2死二、三塁、桑原将志が2点適時打を放つ=横浜スタジアムで2024年11月3日、宮武祐希撮影

DeNA―ソフトバンク(3日・横浜スタジアム)

 身売りに伴いDeNAに球団名が変わった2012年に入団の生え抜きが、日本シリーズで自身のプロ野球人生でも屈指の活躍を見せた。トップバッターとしてチームを日本一までリードした桑原将志選手だ。

 1点を先取し、なお2死二、三塁で打席が回った。追加点がほしい場面で「もう1点、もう1点と強い気持ちを持ち、そして後ろにつなげようと打席に入った」。言葉通り、2球目のツーシームをとらえると、鋭い打球が三遊間を破った。一気に2人が還り、塁上でガッツポーズ。日本シリーズ新記録の5試合連続打点となった。

 昨季は外野手のゴールデングラブ賞を獲得するも、今季はレギュラーには定着できなかった。ただ、ポストシーズンに入ると調子を上げ、巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ最終戦で打順が1番に上がってからは打撃がさらに上向いた。

 17年の日本シリーズでは、6試合で打率1割5分4厘に終わり、悔しさを味わった。石井琢朗コーチは「当時の成績は相当悪く、本人も悔しかった思いを抱えている」と察する。

 だからこそ、今シリーズにかける思いは強い。第1、2戦とホームで連敗した後のミーティングではチームを鼓舞し、第5戦まで打率3割9分1厘と絶好調。守備ではダイビングキャッチなど再三の好守を見せている。この日の打撃では一回、遊撃への当たりで一塁にヘッドスライディングして内野安打とし、チームを勢いづけた。

 2日には「チームが勝つために何ができるかということを考えられている」と一丸になれていることに手応えを感じていた。そして、どうしても欲しかった四つ目の白星を手に入れた。【岸本悠】

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