【ソフトバンク-DeNA】六回のピンチを切り抜け、拳を握るDeNAの先発・ケイ=みずほペイペイドームで2024年10月30日、平川義之撮影

ソフトバンク―DeNA(30日・みずほペイペイドーム)

 来日1年目のパワーピッチャーが初の日本シリーズで踏ん張った。DeNAの先発・ケイが強力ソフトバンク打線を相手に七回まで無失点。短気が玉にきずで、この日もやや興奮する場面もあったが、耐え抜いた。

 最大のピンチは1―0の六回1死一、二塁。ソフトバンクの栗原陵矢を低めのスライダーで一ゴロ。走者は二、三塁となったが、続く4番・山川穂高をチェンジアップで中飛。ソフトバンクの本拠地・みずほペイペイドームには、ファンの無念の声が響いた。

 ケイは最速150キロ台半ばの速球が武器で、カットボールやチェンジアップも操る。ただ、時にエキサイトしすぎる欠点がある。本人も以前、ジョーク交じりに「ここまでの私のマウンド上の素行を見たらわかると思うけど、平常心を保って自分なりの投球をすることに尽きる」と話したことがある。それでも、若い時に比べれば「自分を信用できるようになった」とメンタル面は成長している。

 この日も、五回の先頭の近藤健介の打席でワンバウンドしてしまう球を投げた際には、一回転しながらいらだった様子を見せた。だが、冷静さを取り戻し、近藤を空振り三振に仕留めた。

 大原慎司チーフ投手コーチが「ブルペンから気合が入っており、コントロール、球威ともに申し分ない」と評したケイ。打線の援護もあり、試合を作るという意味では十分な投球だった。【岸本悠】

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