【Honda熊本-東芝】五回裏東芝2死一、三塁、重盗を決めて生還した三塁走者・長沢(左から3人目)をベンチで迎える東芝の選手たち=京セラドーム大阪で2024年10月30日、長澤凜太郎撮影

 第49回社会人野球日本選手権大会は第2日の30日、京セラドーム大阪で1回戦があり、東芝が前回準優勝のHonda熊本に3―2で勝ち、8強入りした第47回大会(2022年)以来、2大会ぶりに初戦を突破した。試合を振り出しに戻したのは、東芝の「勇気ある重盗」だった。

 1点を追う五回、2死一、三塁で、就任1年目の大河原正人監督が仕掛けた。重盗を試み、相手捕手が二塁に送球する間に三塁走者の長沢吉貴選手が生還し、同点とした。大河原監督は「相手の片山(雄貴)投手がすごく粘り強かった。なかなか点が入らないと思ったので、あれはもう奇襲」と振り返る。

 三塁走者が俊足の長沢選手だったことも、指揮官の判断を後押しした。長沢選手はスタートを切る直前、相手の捕手が一瞬自分を見たと感じたが「トーナメントではこういうワンプレーが勝ちにつながる。勇気を持って突っ込んだ」と明かした。

 入社6年目の長沢選手は「足が自分の一番の武器だと思う。まだまだ若い子には負けたくない」とにこやかに語る。日々体のケアを欠かさない頼れるスピードスターの走塁で、逆転勝利への糸口をつかんだ。【下河辺果歩】

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