(29日、プロ野球日本シリーズ第3戦 横浜DeNAベイスターズ4―1福岡ソフトバンクホークス)
故障明けのDeNA・東がチームの連敗を止めた。7回を投げて毎回の10安打を打たれながら1失点。粘りに粘った105球だった。
「投げられる喜びを感じながらマウンドに立った。足がちぎれてもいいくらいのつもりだった」。試合後、そう言った。
クライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(S)の阪神との初戦(12日)で走塁の際に左太もも裏を負傷した。診断は肉離れ。翌日からベンチを外れ、あるかどうか分からない日本シリーズでの登板に備えた。
一回に1点を失ったが、その後は走者を出しながらも要所を締めた。相手の内外角を直球、変化球で自在に突き、的を絞らせなかった。無四球、そして先頭打者の出塁は一度も許さなかった。負傷した軸足に負担がかからないよう、クイック気味にフォームを整えたのも効果があった。
六回、モーションを起こしてからの観客の指笛が気になり、審判にアピールした。「普段は気にならないんですが、それだけ繊細になっていた。1球が勝負の世界なんで」
捕手の戸柱の評価がすべてを言い尽くす。「高さを間違えてもコースは間違えない。コースは間違えても高さは間違えない。二つ間違えないのがいい投手」
試合後も左足に痛みはない、という。「投げられたし、走れたし、意外とできるもんですね」。ヒーローはさらりと言った。(堀川貴弘)
筒香「勝つことが大事」
戸柱(D) 捕手で好リード。八回は適時二塁打。「三つ負けるのと、一つ取るのは全然違う。試合前からみんなで今日はやろうという意識だった」
筒香(D) 五回に右犠飛。「勝つことが大事なので、僕どうこうよりも、勝てて良かった。明日からは、また違う流れになると思う。非常に大きな1勝」
三浦監督(D) 「東は復帰戦でしっかり試合を作り、相手に流れを渡さなかった。選手たちは自らミーティングを開いて、下を向かなかった」
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