大相撲で新入幕優勝を成し遂げた尊富士(たけるふじ)関(25)=本名・石岡弥輝也(みきや)=の凱旋(がいせん)パレードが1日、出身地の青森県五所川原市である。小中学生時代の恩師で「つがる旭富士ジュニアクラブ」総監督の越後谷清彦さん(61)に、まな弟子への思いを聞いた。

小中学生時代の恩師・越後谷清彦さん(61)

 「よくやった。たいしたものだ」とほめてあげたい。小学5年から中学3年まで教えましたが、当時から気持ちの強い子だった。「スクワットを千回やりなさい」と言うと、ほかの子が途中で休んでも、彼だけは黙々と続けていました。

 性格もプロ向き。優勝を決めた春場所の千秋楽のように、大事な一番に最大限の力を発揮できる。その集中力は、青森で養われたと思います。

 うちのクラブでは、長時間の稽古はしません。集中して相撲を取れば、1日10番だけでもいい。そうすると、相撲が速くなる。「先に攻めろ、前に出ろ」と徹底して教えた結果が、今の速攻の土台になったのでしょう。

 彼がいたころ、クラブには18人ほどいましたが、今は小学生3人と中学生3人だけ。尊富士の優勝で地元は盛り上がっていても、新しく入門してきた子はいなくて、ちょっと残念です。

 今の子どもたちに相撲に親しんでもらうため、稽古ではTシャツを着てもいいし、スパッツの上にまわしをつけてもいいことにしています。でも、相撲は相手とぶつかると痛いというイメージがあって、敬遠されるのでしょうか。尊富士の活躍を見て、相撲を始めてみたいと思う子が増えたらうれしいですね。

 私は、彼は大関になれる器だと信じています。本人の目標は、その上の横綱。実現させるために、私は「みんなに好かれて、目標となるような力士になれ」と教えています。もっと強くなるためには、まわりに応援される力士にならないといけない。応援が力士の背中を押すからです。

 パレードではたくさんの人が声援を送ってくれるでしょう。故郷のみなさんの後押しが、何よりの力になることを彼は実感すると思います。ありがたみを感じ、まわりの人たちをもっと大事にする力士になってくれるだろうと期待しています。(聞き手・渡部耕平)

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 尊富士関は30日、青森県内入りし、倉光弘昭・つがる市長を表敬訪問した。報道陣の取材にも応じ、今後について質問されると「またいい結果を出せるよう、頑張ります」と笑顔で語った。

 この日は、8月21日に市総合体育館で大相撲つがる場所を開催することも発表した。チケットは5月12日から先行販売が始まる。問い合わせは、つがる場所事務局(017・718・5544)へ。(江湖良二)

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