大リーグは20日(日本時間21日)、ナショナル・リーグ優勝決定シリーズの第6戦がロサンゼルスであり、大谷翔平と山本由伸が所属するドジャースが10―5で千賀滉大のメッツを下し、対戦成績を4勝2敗として4年ぶりのリーグ優勝を決めた。ワールドシリーズ(WS)進出は22度目。25日にロサンゼルスで開幕するWSでアメリカン・リーグを制したヤンキースと対戦し、8度目の世界一を目指す。両球団による顔合わせは1981年以来43年ぶり12度目。カード別最多を更新した。

 大谷は「1番・指名打者」で出場し、4打数2安打1打点2得点。千賀は6番手で登板し、1回3分の2を3失点だった。ナ・リーグ優勝決定シリーズの最優秀選手はドジャースのエドマンが選ばれた。

  • 大谷翔平が変化球を空振りしたわけ ダルビッシュ有が謝った4・14の打席

ドジャース、覚悟の「ブルペンゲーム」

 ドジャースは、投手を小刻みにつなぐ「ブルペンゲーム」に打って出た。先発は、今季15セーブの剛腕コーペック。救援のエース格を出し惜しみしなかったのは、「今夜で決める」というロバーツ監督の覚悟の表れだった。

 ところが、コーペックは立ち上がりに制球を乱し、1点を献上した。嫌な空気を断ったのが、大谷のバットだった。

 その裏。先頭で打席に。相手は第2戦で無安打に抑え込まれた変則左腕で、「自分の思い通りにいくチャンスは少ない」。

 それでも、追い込まれてから外角球にバットを合わせ、中前へと運ぶ。「チームに流れを起こしたいと思っていた。結果的に良い打席になった」

 後続がつながり、1死一、三塁。4番エドマンも追い込まれてから、外角低めのスライダーを拾い、左翼線への逆転2点二塁打とした。

 三回には味方に2ランが2本飛び出し、主導権をがっちり握った。レギュラーシーズンでリーグ最多の233本塁打を放った重量打線らしい攻撃だった。

 が、今シリーズに限れば、むしろ一回の攻撃にこそワールドシリーズ進出の要因が凝縮されている。6試合でもぎ取った四球は42個。ポストシーズンの1カードあたりの最多記録を更新する、驚異的な粘り強さだった。

 ロバーツ監督は第5戦で、残り2試合を見据えて救援陣を温存した。もし、勝負をかけたこの試合を落とせば、第5戦の采配が今ごろ、やり玉に挙がっていただろう。

 今シリーズを振り返り、「誰かが調子が悪いときに、誰かがカバーする。素晴らしい試合が多かった」と大谷は言った。

 エース右腕グラスノーが、右ひじの故障でいない。主軸のフリーマンは右足首のねんざを抱え、フル出場ができない。

 そんな満身創痍(そうい)のスター軍団が、力を合わせて4年ぶりのワールドシリーズまでたどり着いた。(ロサンゼルス=安藤仙一朗)

 山本(ド) シャンパンを浴びながら、「みんなで喜びを分かち合えるのがとてもうれしい。また気を引き締め、(世界一まで)あと四つ勝てるように頑張ります」。

ワールドシリーズでの対戦成績

1941年 ドジャース1勝 4勝ヤンキース

1947年 ドジャース3勝 4勝ヤンキース

1949年 ドジャース1勝 4勝ヤンキース

1952年 ドジャース3勝 4勝ヤンキース

1953年 ドジャース2勝 4勝ヤンキース

1955年 ドジャース4勝 3勝ヤンキース

1956年 ドジャース3勝 4勝ヤンキース

1963年 ドジャース4勝 0勝ヤンキース

1977年 ドジャース2勝 4勝ヤンキース

1978年 ドジャース2勝 4勝ヤンキース

1981年 ドジャース4勝 2勝ヤンキース

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。