Jリーグ

△FC町田ゼルビア1―1柏レイソル△(19日・三協フロンテア柏スタジアム)

 決して本来の調子ではない。だが、3位の町田がここで積み上げた勝ち点1は数字以上に大きな意味がある。

 3連敗が目前に迫った試合終了間際。左サイドの崩しからボールを受けた藤本一輝が相手ゴール前で倒された。主審は一度はノーファウルと判断したが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の結果、町田にPKが与えられた。これを下田北斗が左足で決めて、土壇場で追いついた。

 「決めないとヤバいなと思った。自信を持って強いボールを蹴ろうと思うだけだった」と下田。その後も柏に決定機を作られたが、しのぎきった。

 試合はセカンドボールの回収で後手に回り、ミスをきっかけにカウンターを与える場面も目立った。後半18分には柏のCKからGK谷晃生がこぼしたボールを頭で押し込まれて先制を許した。

 今季初の2連敗となった前節の川崎戦もミスが重なり、4失点を喫していた。堅守を売りとするだけに、町田の黒田剛監督はこう語った。

 「自分たちから発生させている失点を減らさなければ。失点(の仕方)があまりにももったいなさすぎる」

 リーグ優勝が遠のく3連敗を免れただけではなく、首位の広島も敗戦。前日の18日には2位の神戸が敗れた。残り4試合で広島との勝ち点差は5。黒田監督は「まだまだ手が届くところに首位がある。全然下を向くような順位でもない」と強調した。

 リーグ史上初の「J1初昇格で初優勝」に向けて踏ん張りどころである。【高野裕士】

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