26日から大分県で開かれる第155回九州地区高校野球(朝日新聞社など後援)に出場する16校が出そろった。ここでの成績が来春の選抜高校野球の出場校を選ぶ重要な参考資料となる。九州の出場枠は4校で、まず各校とも4強入りをめざす。大会の話題校、注目投手を見てみよう。

 目を引くのは初出場の公立2校。人口約2万4千人の離島にある長崎・壱岐と、小倉藩校の流れをくむ創立266年の伝統校である福岡・育徳館だ。

 壱岐は長崎大会の準々決勝で強豪の創成館、準決勝でも大崎をともに零封した。

 いまの主力の2年生は島内の勝本、郷ノ浦中の軟式野球部の出身。勝本中は2年前の夏に全国中学大会に出場した実績があり、郷ノ浦中はやはり2年前の春にあった九州中学選抜大会で優勝。そのメンバーが「壱岐から甲子園をめざそう」と集結した。

 「勝ち運があるんです、この子たち」と坂本徹監督。21世紀枠の有力候補にもなりそうだが、主将で投手も務める浦上脩吾は「自力で選抜をめざしている」と力強い。

 育徳館はエースの島汰唯也(だいや)、主将で捕手の隅田勇輝のバッテリーを中心とした守りのチーム。競り合いに強く、5回戦から準決勝までの3試合はすべて1点差で決勝に進んだ。

 独立リーグの徳島、愛媛でプレー経験があり、昨春に就任した井生(いおう)広大監督は「島は緩急がつけられる。打者との駆け引きもできるようになった」とエースに託す。

 注目の投手も多い。沖縄尚学の1年生左腕・末吉良丞、長崎・海星の長身右腕・陣内優翔はともに今秋の県大会で球速150キロを記録した。

 今夏に甲子園のマウンドを経験した投手も残る。大分・明豊の小柄な左腕、寺本悠真は変化球の制球がさえる。川崎絢平監督も「指先の感覚は一級品」と信頼を寄せる。甲子園の3回戦で完投勝ちした鹿児島・神村学園の早瀬朔も鹿児島大会のヤマ場となった準決勝の樟南戦では八回まで1安打の好投を見せた。

 組み合わせ抽選会は18日、決勝は11月1日に予定されている。(酒瀬川亮介)

九州高校野球出場校

福岡 西日本短大付 育徳館

佐賀 龍谷 佐賀北

長崎 海星 壱岐

熊本 専大熊本 有明

鹿児島 神村学園 鹿児島実

宮崎 日南学園 聖心ウルスラ

大分 明豊 柳ケ浦

沖縄 沖縄尚学 エナジックスポーツ

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