国民スポーツ大会のハンドボール少年男子は13日、佐賀県の吉野ケ里町文化体育館で決勝があり、駿台甲府高校の選手で構成する山梨県代表が38―30で香川県代表を破り、初優勝した。駿台甲府は3月の全国高校ハンドボール選抜大会、8月の全国高校総体で優勝しており「高校3冠」を達成した。
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この日の決勝の相手は、香川中央高校の選手で構成する香川県代表。同校とは今年8月の全国高校総体決勝でも対戦し、駿台甲府が香川中央を32―23で破っていた。
八田政史監督が「本当に粘り強いチーム」と評する香川県代表。試合前半は、山梨県代表がペースをつかめず一進一退の攻防が続いた。
流れを変えたのは前半終盤でタイムアウトを取ったとき八田監督の一言だった。
「みんなが普段やってきたことを今見つめ直してくれ」。直後のハーフタイムは各自プレーを考える時間をとった。「これで自分たちのリズムを取り戻せた」と古沢宙大(そら)主将は振り返る。
後半に主導権を握った。香川県代表が7人全員攻撃をしかけ、勝負を決めに来たところ、山梨県代表が、持ち味である堅い守備で守り切り、逆にGKがいない空きゴールに連続で得点を重ねた。
山梨県代表はその後、選手1人退場となるピンチを迎えたが、GKの堀川陸選手が好セーブを連発。古沢選手も要所で得点を挙げ、突き放した。
古沢主将は「高校に入学したときから3冠を取って駿台甲府の歴史を変えると言ってきた。有言実行できてほっとしています」と喜んだ。
八田監督は、主力選手が中学時代に全国優勝を経験していることに触れ「高校でも優勝して当たり前という重圧と戦ってきた。精神面でも大きく成長してくれた」と選手たちをたたえた。
駿台甲府の選手で構成する少年男子の山梨県代表は、国民スポーツ大会に名称変更する前の国体では22年8強、23年4強に進出しているが、優勝にはまだ手が届いていなかった。(棟形祐水)
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