【阪神-DeNA】七回表DeNA1死一、三塁、オースティンが2点二塁打を放つ=阪神甲子園球場で2024年10月12日、長澤凜太郎撮影

○DeNA3―1阪神●(12日・甲子園)

 甲子園の多くのファンが静まる一打だった。DeNAのオースティンが、七回に貴重な2点二塁打を放った。セ・リーグの首位打者であり、4番らしい活躍を見せた。

 1点リードの七回、1死一、三塁での打席だった。1点もやれない阪神は三振を奪える確率の高い石井大智を送り出した。「強い打球を打つ」という意識のオースティンは1ボールから外よりの151キロ直球を、特徴でもあるバットを小さく後ろに引く動作からの鋭いスイングで素直に打ち返し、右中間を真っ二つに破った。

 打線が持ち味のDeNAも、序盤は走者を出しても得点につながらない、いつもの悪い展開だった。一回は1死満塁で無得点に終わり、三回の無死二、三塁からの好機も内野ゴロの間の1点止まりだった。投手陣も踏ん張る中、七回はこの日3度目となる2番・牧秀悟、3番・佐野恵太の連打でつかんだ好機だった。これをようやく適時打で生かし、一気に試合の流れをつかんだ。

 これまではけがが多かったが、来日5年目の今季は打率3割1分6厘で初のタイトルを獲得した。七回までの3打席は1四球に2三振だったが、大事な場面で結果を出し、三浦大輔監督は「中軸がしっかり打ってくれた」とたたえた。

 前日の記者会見で、阪神の岡田彰布監督は「(重要なのは)やはり初戦。2勝したら終わり」と、短期決戦の初戦の重要性を語っていた。阪神にはレギュラーシーズンで二つ負け越しながら、その初戦をものにしたDeNA。ファイナルステージ進出に向け、大きな意味を持つ1勝だった。【荻野公一】

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