大相撲夏場所(東京・両国国技館)の新番付が30日、発表され、新小結の大の里が茨城県阿見町の二所ノ関部屋で記者会見した。
今年初場所の新入幕から所要2場所で小結に昇進した大の里だが、番付発表前に20歳未満の力士と飲酒したとして日本相撲協会から厳重注意を受けたばかり。会見では師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)が「報道がいろいろありましたが、お騒がせをして申し訳ありませんでした」と謝罪した。大の里も快進撃を続ける中での不祥事に、「迷惑をかけてしまった。まずはしっかりと場所で勝つことが一番大事なこと。自分の姿を土俵で見せたい」と気を引き締めた。
一方、大の里は二所ノ関親方が2021年8月に部屋を創設してから初めての三役となる。また、石川県出身の三役は18年夏場所の遠藤以来で、期する思いもある。1月の能登半島地震では石川県は大きな被害を受けた。それだけに故郷に思いをはせ、「まずは一生懸命頑張ることがすべて」と決意を口にした。
ざんばら髪を「卒業」し、この日はまげ姿も披露して「お相撲さんにようやくなれた」。二所ノ関親方は弟子のスピード出世をたたえつつも、「まだまだ上(の番付)がいっぱいありますから。まだまだ稽古(けいこ)を付けていきたい」ときっぱり。
謝罪から始まった晴れの舞台。周囲の視線は厳しくなるだろう。しかし、この日の記者会見は「お相撲さん」としての自覚をさらに促すものになった。【岩壁峻】
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