スペイン1部リーグの強豪、バルセロナで長年にわたってプレーしたイニエスタ選手は、昨シーズンの途中にJ1のヴィッセルを退団したあとUAE=アラブ首長国連邦のクラブでプレーしてきました。
ことし40歳になったイニエスタ選手は、8日、スペインのバルセロナで開かれたイベントで現役を引退することを明らかにしました。
このなかでイニエスタ選手は「努力し、やってきたことを誇りに思う。小さな町の子どもがプロの選手になれるなんて思いもしなかった。しかし夢を追い続け、かなえることができた。決して諦めなかった」などと時折、涙ぐみながらこれまでを振り返りました。
“家族と素晴らしい時間過ごした 日本はいつまでも心の中に”
さらに2018年から5年あまりプレーしたヴィッセルについては「私も家族も素晴らしい時間を過ごし、神戸をふるさとだと思っている。チームメートやサポーターなどとさまざまな経験をし、日本は、いつまでも心の中に残り続けるだろう」と話していました。
イニエスタ選手はコーチなどとして今後もサッカーに関わり続けていきたいということです。
イベントで紹介された動画には、イニエスタ選手がヴィッセルに移籍した際、チームの強化を担当していた三浦淳寛さんも登場し、当時の思い出を語っていました。
イニエスタ選手は、スペイン代表としては2010年のワールドカップ南アフリカ大会の決勝でゴールを決めて母国に初優勝をもたらしていて、この日のイベントにも関係者が大勢駆けつけていました。
元同僚 ヴィッセル神戸 酒井高徳 “一緒にプレー 宝物”
サッカーJ1のヴィッセル神戸でアンドレス・イニエスタ選手とおよそ4年間プレーした元日本代表のディフェンダー、酒井高徳選手は「世界で超一流と言われる選手が数多くいる中で、イニエスタ選手は間違いなくそのひとりだ。いつか引退する日が来るとは思っていたが、一緒にプレーしていたし非常に寂しい気持ちだ」と心境を話しました。
そして、ドイツのクラブからヴィッセルに移籍を決断した理由の1つが、イニエスタ選手とプレーするためだったと明かしたうえで「毎試合後に『どのタイミングで動いたほうがいいのか』や、『どういうタイミングでパスを出したほうがいいのか』などを聞きにいった。彼の考え方に少しでも近づけるかや、感じられるかを常に意識していた」と振り返りました。
イニエスタ選手のサッカー界に対する功績については「持っている技術を最大限発揮して世界のレベルを教えてくれて、日本にとって計り知れない大きなものを残してくれたと思う」と話しました。
最後にイニエスタ選手に向けて「あなたとプレーできたことは私にとって宝物になった。世界の感覚を教えてもらい、毎日の試合や練習が刺激的だった。これからは家族との時間を大切に過ごしてほしい。これからのキャリアも応援している。お疲れ様でした」と感謝とねぎらいのことばを贈っていました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。