春季岐阜県高校野球大会(県高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は29日、決勝と3位決定戦が長良川球場(岐阜市)であり、県岐阜商が市岐阜商を3―1で下して2大会連続24度目の優勝を果たした。3位決定戦は岐阜第一が関商工を8―1で破った。県岐阜商と市岐阜商は5月18日に県内で開幕する東海大会に出場する。(高原敦)

市岐阜商の「背番号8」 二刀流でエース温存

 決勝の先発はエースではなかった。市岐阜商のマウンドに立ったのは背番号8の足立義虎選手。「エースの平塚(大記)に頼らず勝つのがチームの目標でした」

 130キロ中盤のストレートを軸に緩急自在の投球で的を絞らせない。打っては、二回に右翼席へ滞空時間の長い本塁打を放った。四回に2失策が絡んで2点を失ったが、5イニングを被安打4、自責点0で切り抜けて降板。その後、センターを守った。

 「大舞台になればなるほどやってくれる。夏に向けて自信を持たせたかった」(北岡剛監督)。

 四球が多いのが課題だったが、この日は二つのみ。それでも、「空振りを取れるボールが少ない。キレのある球種を夏までに身につけたい」と冷静に前を向いた。

岐阜第一 「背番号1」が最速記録 3位に貢献

 八回を終わって被安打4の無失点。岐阜第一の先発・中川唯一投手はリズムに乗っていた。九回に1失点したが、完投勝ち。これまで投げた最長イニングは5回だったが、初の完投を果たした。

 直球、カーブ、スライダー、チェンジアップを操る。この日は自己最高球速の133キロも記録した。「直球が走っていたのでドンドン押した」

 この大会から背番号1を背負う。「目指していた番号。1番らしい投球をしたかった」

 テンポ良く投げ、打たせて取るのが持ち味だ。「夏に向けて計算できる」(田所孝二監督)と評価を上げた。

 準々決勝で大垣日大を完封した鑓水佑哉投手ら豊富な投手陣を誇る岐阜第一。エースナンバーは安泰ではない。「夏は競争になる。みんなで頑張って甲子園に行きたい」

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