オリンピックの金メダリストで長崎・諫早市出身の内村航平さんが、このほど、実家の体操教室が開いたチャリティーイベントに参加した。
引退から約2年半。体操ニッポンがパリオリンピックで成し遂げた快挙を元世界王者はどう見たのか。レジェンドが語る体操のこれまでとこれからだ。

「キング」と呼ばれるワケ

内村さんは、体操界のレジェンドとして知られている。2008年の北京オリンピックから2021年の東京オリンピックまで、第一線で戦い続けた。個人総合では前人未踏の40連勝という記録を打ち立て、まさに「キング」の名にふさわしい強さを誇った。

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チャリティーイベントのため長崎に帰省していた内村さんは、KTN吉井誠アナウンサーのインタビューに応じてくれた。世界の大舞台で活躍した体操界のレジェンドに現役当時の心境を聞いた。

KTNの独占インタビューに応じた内村航平さん(長崎県諫早市)

「あの時の自分は次元の違う自分だったと思う。弱い部分がなかった、基本。だからあれだけ勝ったのだと思う」と、当時を振り返る内村さん。その言葉からは、自身の実力に対する自信と誇りが感じられる。

地元長崎でのチャリティーイベント

2024年9月、内村さんの実家が運営する体操教室主催のチャリティーイベントが長崎市で開催された。

能登半島地震の被災者支援を目的としたこのイベントには、県外の体操ファンを含む約800人が訪れた。

イベントで内村さんは教室で学ぶ後輩たちと共演し、現役時代を思わせる美しい技を披露した。

体操教室の後輩たちと共にステージに立ち技を披露する内村さん

「チャリティーのイベントなので、いつもとは違う気持ちというか、その場を楽しませるだけではなく、『思いよ届け』ではないけど、そういう気持ちでやれた」と内村さんは語った。

現在も続く体操への情熱

引退後も、内村さんの体操への情熱は衰えていない。週3日は練習を続けており、講演や体操イベントなどを通じて競技の魅力を発信している。「いろんなところで体操を見せる機会があるので、ゆかや鉄棒(のリクエスト)が多いので、その2つは絶対にするようにしている」と、現役時代とほとんど変わらない技術を維持していることを明かした。

2024年7月に開催されたパリオリンピックでは、日本チームが2大会ぶりに団体金メダルを獲得するなど、目覚ましい活躍を見せた。内村さんは引退後初めてのオリンピックを現地で観戦し、日本体操の未来に大きな期待を寄せている。

「橋本大輝がいて岡慎之助が出てきて、いわば2トップ、パリで金を取ってやっと始まった」と語る内村さん。体操ニッポンの黄金期はこれからだと考えているようだ。

体操界への新たな貢献

今後の指導者としての道については、「指導はあんまり考えていない」と語る内村さん。しかし、体操界への貢献の意志は強く持っている。

「もちろん日本が1番であってほしい気持ちはあるけど、そこに指導として携わるというより、影で暗躍しているな、あの人、相変わらず、みたいなくらいの方がいいかな」と、独自の立場から体操界を支えていく意向を示した。内村さんは、体操を通じて「諦めないことの大事さ」や「毎日同じことを繰り返すことの価値」を伝えられると考えている。

これからも、体操の魅力を多くの人々に伝え続けていく内村航平さん。その姿勢は、長崎の誇りとして、そして日本体操界の宝として、多くの人々に夢と希望を与え続けるだろう。

(テレビ長崎)

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