バスケットボール男子のりそなグループBリーグ1部は3日、9季目の開幕を迎えた。
NBAで6季プレーした渡辺雄太=千葉J=の加入は大きな話題を集めたが、注目はそれだけではない。オフシーズンの移籍活性化で、チームによっては陣容が様変わりした。
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積極的な補強が目立ったのは群馬だ。昨夏のワールドカップを制したドイツ代表のヨハネス・ティーマンを獲得し、川崎から藤井祐真が加入。新ヘッドコーチ(HC)には、広島を初優勝へ導いたカイル・ミリングを招いた。広島時代にミリングの元でプレーした主将の辻直人は「強みや人柄をよく分かってくれて、やりやすい」と話す。
パリ五輪で世界トップレベルの選手と互角に渡り合った吉井裕鷹は、新天地・三遠でさらなる飛躍が期待される。A東京での直近3季は平均出場時間が10分台にとどまった。日本代表での活躍を考えれば、中心選手として躍動する姿をもっと長い時間、見てみたい。
滋賀から長崎へ移籍した川真田紘也は面白い存在になりそう。体の強さを生かした泥臭いプレーが持ち味で、数字に表れない部分の貢献度も高い。ムードメーカーとしても重宝されるビッグマンは、コートの内外で好影響をもたらすはずだ。
主力が抜け、戦い方が様変わりしたのは川崎。長年、大黒柱だったニック・ファジーカスが引退し、得点源だった藤井もチームを去った。新HCのロネン・ギンズブルグが求めるのはハイテンポな攻撃。ハーフコートが主体の昨季との違いについて、在籍14年目の篠山竜青は「スピード、展開の速さなどは(変化が)分かりやすいと思う」という。
絶対的エースの河村勇輝がNBA挑戦で欠ける横浜BCは、総合力が問われる。「河村選手が抜けて弱くなったと言われたくない」と司令塔の森井健太は話す。「周りを生かすプレーで、チームを勝たせられるポイントガードになっていきたい」と覚悟を口にした。
昨季のチャンピオンシップ(CS)決勝に進んだ両雄も新たな船出を迎える。
準優勝の琉球は日本人エースの今村佳太(現・名古屋D)、アレン・ダーラムら複数の主力が退団。選手の入れ替えが進む一方、コーチ陣の編成が話題を呼んだ。昨季まで宇都宮のHCで、過去に琉球を率いた日本代表コーチの佐々宜央が加入。桶谷大HCとともに、どんなチームを作り上げるか。
王者の広島は、昨季の主将で現役を退いたばかりの朝山正悟が指揮を執る。選手時代に「兼任」でのHC経験はあるが、本格的な指導キャリアはここから。前任者がHCを務める群馬との開幕カードへ向け、「相手に不足はない。挑戦者として思い切りぶつかっていく」と意気込んだ。(松本龍三郎)
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