【動画も】大の里の大関昇進「ほかに類を見ないお相撲さんに」
“唯一無二”の力士に
大の里
「大関の地位を汚さぬよう“唯一無二”の力士を目指し、相撲道に精進します」
大関昇進の伝達式で、堂々と口上を述べた大の里。
ここまでの歩みが、すでに“唯一無二”とも呼べるものになっています。
去年の夏場所で幕下10枚目格付け出しとして初土俵を踏んで以降、スピード出世を続けてきました。
幕下、十両をそれぞれ2場所で通過すると、ことしの初場所では所要4場所での新入幕。
そこからわずか3場所、新小結で迎えた夏場所では12勝3敗で初優勝を果たしました。
初土俵から7場所目の優勝は幕下付け出しでデビューした力士では最も早く、優勝制度ができた明治42年以降でも最も早い記録となりました。
そして、ことしの秋場所で早くも2回目の優勝を果たし、入門から1年余りで”ちょんまげ姿”のまま、昭和以降では最も早い大関昇進を果たしました。
大の里
「ほかに類を見ない、もうこのような人は現れないというぐらいのお相撲さんになりたい」
会見では“唯一無二”ということばに込めた思いを話しましたが、すでにその一端を見せてきました。
体もスケールも大きく
学生時代には、2年連続で「アマチュア横綱」に輝き、将来を期待されて、元横綱・稀勢の里の二所ノ関親方の部屋に入門しました。
持ち味は身長1メートル92センチ、体重182キロと大きな体を生かした、とにかく前に攻める相撲です。
立ち合いから強くあたり、右を差しての一気の攻め。
これまで課題とされてきたのが左からの攻めでしたが、秋場所では師匠も得意としてきた強烈なおっつけがさえ渡り、さらに進化した姿を見せました。
優勝を決めた14日目には、これまで不戦勝以外で勝ったことがない、大関・豊昇龍を圧倒。
二所ノ関親方は、そのスケールの大きさを評価しています。
二所ノ関親方
「大の里の相撲スタイルというのは、唯一無二だと思う。この個性をどんどんこれから育てて、揺るがない形をつくって、新しい、相撲の常識を崩してほしいなと思うような、そんな相撲スタイルになってほしい」
新しい時代を
大相撲は横綱・照ノ富士が一人横綱の責任を果たしている一方で、横綱に次ぐ地位の大関は新たな力士の昇進と陥落を繰り返す状況が続いています。
秋場所中には30場所にわたって大関という地位に座った貴景勝が引退しました。
長きにわたって日本出身力士の顔となっていた実力者が土俵を去ったタイミングで、“唯一無二”を掲げる大の里が大関に昇進しました。
気になるもう1つ上の番付への思いについては…。
大の里
「もう1回、伝達式ができるチャンスがあるし、もう1回やってみたいという気持ちにもなった。自分でしっかり勝ち取って、しっかりと1日一番、1日1日集中して、稽古から、生活からしっかりいろいろなことを学んでいって、上に向けて頑張りたい」
二所ノ関親方
「綱を巻くには、どういう人間かということをじっくり勉強していくことも大事なことだと思う。もう1つ上というのをしっかり目指して、やってもらいたい。ここがてっぺんではなくてスタートだ」
早くも高まる最高位への期待。
日本出身力士として最後の横綱だった師匠とともに、“唯一無二”の力士を目指す、大の里の新たな物語が始まります。
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