昨シーズンまでパ・リーグ3連覇のオリックスは、シーズン序盤から主力選手のけがによる離脱が相次いだうえ、深刻な得点力不足に悩まされ苦しい戦いを強いられました。
オリックスは22日、京セラドーム大阪で行われた日本ハムとの試合に2対3で敗れ、今シーズンここまでの成績が59勝73敗3引き分けとなりました。
この結果、オリックスは8試合を残してレギュラーシーズンの4位以下が確定し、4年ぶりにクライマックスシリーズ進出を逃しました。
試合後、中嶋聡監督は「これだけ借金しているのでいずれ可能性が消えるのは分かっていた。残り試合は少ないが最後まで全力でやらなきゃいけないし、これだけのお客さんが来てくれている中で全力を尽くせないのなら意味がない」と話していました。
【解説】リーグ3連覇からの低迷 要因は
リーグ3連覇から一転、4年ぶりにクライマックスシリーズ進出を逃したオリックス。
絶対的エースだった山本由伸投手が抜けた投手陣はその穴をカバーする健闘を見せましたが、それ以上に深刻な得点力不足に苦しみました。
今シーズンのオリックスは最多勝や最優秀防御率など、先発投手のタイトル4冠を3年連続で成し遂げたチームの大黒柱、山本由伸投手が大リーグに移籍し、その不在をどう補うかが最大の課題と見られていました。
加えて、抑えの平野佳寿投手や中継ぎの山崎颯一郎投手などリリーフ陣が次々にけがやコンディション不良で離脱し、厳しい投手運用を迫られました。
それでも、ルーキーの古田島成龍投手がプロ野球記録に並ぶ初登板から22試合連続無失点をマークしたほか、エスピノーザ投手やカスティーヨ投手など新加入の選手も奮闘し、チーム防御率はリーグ2位と、投手陣は離脱した選手たちの穴をカバーしてきました。
ただ、そうした投手のふんばりに、勝ち星がついてきませんでした。
宮城大弥投手は5勝9敗、曽谷龍平投手が6勝11敗とともに防御率2点台ながら大きく負け越しました。
中嶋聡監督が「ピッチャーがかわいそう。よい投球をしていても点が入らないので苦しくなっている。打線がピッチャーを助けられていないのが全て」と話すように、低迷を招いた最大の要因は深刻な得点力不足にありました。
昨シーズン、リーグトップだったチーム打率とホームランの数は現在、リーグ5位。
完封負けの回数はリーグワーストの23試合を数えます。
広島からフリーエージェントで移籍し、打線に厚みをもたらすと期待された西川龍馬選手はパ・リーグ特有のストレートで強気に押す配球に苦しむ場面が多く見られ、打率はここまで2割5分1厘とプロ9年目で最も低い数字となっています。
リーグ3連覇を支えてきた主力選手たちも軒並み成績が悪化し、昨シーズン、首位打者のタイトルを獲得した頓宮裕真選手はここまで打率1割台。
打点チームトップの森友哉選手もけがによる離脱を繰り返しました。
9月10日から20日にかけて1本もタイムリーヒットが出ずに8連敗を喫したことが今シーズンのオリックスを象徴していたと言えます。
「コーチの指導をまったく試合でやれていないのが現状だ」と厳しい表情で話した中嶋監督。
来シーズン以降の巻き返しに向け、打線の立て直しは喫緊の課題です。
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