◆3度の綱とり届かず「体力、気力なくなった」
引退会見を行なった貴景勝。右は常盤山親方=21日、両国国技館で(市川和宏撮影)
夢に挑んだ土俵人生。小学校3年で相撲を始め、横綱だけを目指してきた。優勝4度のうち、大関では3度。綱とりはいずれも失敗に終わり「手はいっぱい伸ばしたけど、届かなかった」。そう振り返りつつ「それまでの道は間違いではなかった」と誇った。 現役中は両膝と首の故障に悩んだ。「けがも合わせて自分の実力」。武士道精神を信条とした元大関らしく、言い訳はしなかった。それでも「若いころは100%準備をして臨めていた。ここ最近はやるべきことをしたくても、できなかった」と苦しい胸の内も明かした。大相撲秋場所2日目 王鵬㊧に寄り切りで敗れる貴景勝=9日、両国国技館で(浅井慶撮影)
先場所で2度目の大関陥落となり、復帰に必要な10勝を目指した今場所。結果的に最後の取組となった2日目の一番で、かつて自身の付け人を務めた王鵬に敗れた。同じ埼玉栄高出身の後輩に引導を渡される形になったことに、「最後は王鵬で良かった」とすがすがしい表情を浮かべた。 今後は親方として後進の育成に励む。「根性と気合を持った、そんな力士を育てたい」と第二の人生に向け、目標を述べた。(丸山耀平) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。