大相撲秋場所13日目(20日、東京・両国国技館)
○大の里(寄り切り)琴桜●
土俵際でもつれた攻防に立行司・木村庄之助の軍配は琴桜に上がった。だが、同体ではと物言いがつき、取り直しに。今場所初黒星を喫した前日同様、大の里はここでも落ち着いたものだった。「最悪負け、運が良くてもう一丁だと思っていた」。吹っ切れた分、取り直しの一番は厳しい攻めで大関を圧倒。自らも大関の座に、さらに大きく近づいた。
出足良く、もろ手で突いて出て右差し。さらに左おっつけの得意の体勢から出ると、琴桜に何もさせず寄り切った。迷いのない攻めを見せた大の里は「気持ちを切らさずにいけた」。八角理事長(元横綱・北勝海)も「いい流れ、いい馬力だったでしょう」と評価した。
これで、大関昇進の目安とされる三役で直近3場所計33勝に到達し、関門の一つでもあった大関戦も制した。だが、土俵下の粂川審判長(元小結・琴稲妻)は「数字的にはいいんでしょうけど、終わってからの話」。高田川審判部長(元関脇・安芸乃島)も「何もないです。あと2日」と述べるにとどめた。
当の大の里も、昇進を巡る「空気」に惑わされてはいない。「まだ場所は終わっていないので」。支度部屋では、この日もほぼ目をつむったまま。早ければ14日目に、2場所ぶり2回目の優勝も決まる。心がけるべきことは、やはり「集中」。不動の心で土俵に上がるのみだ。【岩壁峻】
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