若隆景(左)が寄り切りで大の里を破る=両国国技館で2024年9月19日、幾島健太郎撮影

大相撲秋場所12日目(19日、東京・両国国技館)

○若隆景(寄り切り)大の里●

 大関昇進と2場所ぶりの優勝が懸かる重圧か。昇進の目安とされる「三役で3場所計33勝」まであと1勝としていた大の里が今場所初めて土をつけられた。敗戦のショックを隠しきれないかと思いきや、支度部屋では意外にも「すっきりした」。

 関脇だった2年前の春場所で初優勝し、「大関に近い」と言われた若隆景との初対戦。大の里はもろ手で突いて出たが、低い体勢の若隆景にもろ差しを許す。そのまま寄り返されても、しぶとく左から突き落とし、さらに相手の頭を押さえつけた。しかし、体勢を崩しながら粘り強い足腰で残した若隆景に体を入れ替えられて寄り切られた。

 大の里は、前日の琴勝峰戦を「良くなかった」と振り返りつつ、この日の相撲を「落とし穴にはまった感じ」と表現した。また「勝ちを拾った相撲が何番かあった。攻めの甘さがあった」とこれまでを冷静に分析した。

 初日からの連勝を止められたものの、賜杯争いで依然、単独首位に立つ。「もう一回集中して」と大の里。九重審判長(元大関・千代大海)は「どう修正するか。負けられないと考えるのか。勝つことだけを考えるか」と気持ちの持ち方の重要性を説く。【武藤佳正】

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