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  • 山本が約3か月ぶりに復帰

  • 今永は大谷と3打席 対戦

山本が約3か月ぶりに復帰

ドジャースとカブスの3連戦の第2戦は10日、ロサンゼルスで行われドジャースの山本投手が右肩の炎症からおよそ3か月ぶりに復帰し、ここまで12勝3敗と好調のカブスの今永投手とともに先発のマウンドに上がりました。

山本投手は1回、3者連続三振を奪う抜群の立ち上がりで、その後も、最速157.5キロの力強い速球や低めの変化球で4回までの12個のアウトのうち8つを三振で奪い、失点は1と、復帰戦で上々のピッチングを見せました。

今永は大谷と3打席 対戦

一方の今永投手は1回の最初のバッターとして大谷翔平選手と対戦しアウトコース高めの初球を打たせてショートフライに打ち取りました。

2回は、先頭バッターにソロホームランを打たれて1点を失いましたが、3回、ノーアウト一塁二塁の場面で迎えた大谷選手の第2打席はファーストゴロのダブルプレーに打ち取りなど、無失点で切り抜けました。

4回と5回にはいずれもソロホームランで1対3とリードを奪われたものの5回の大谷選手の第3打席はフェンス手前のライトフライに打ち取りました。

今永投手は粘りのピッチングで7回3失点でマウンドを降り、球数は89球、打たれたヒットが7本で三振は4つ奪いました。

鈴木は逆転に貢献 大谷は4打数ノーヒット

カブス打線は8回、3番・指名打者で先発出場した鈴木誠也選手がノーアウト一塁二塁からこの日2本目のヒットとなるセンター前へのタイムリーヒットを打ち、相手のエラーも絡んで同点に追いつくなど一挙5点を奪って逆転し、試合はそのままカブスが6対3で勝ちました。

カブスは今永投手が今シーズン13勝目を挙げ、鈴木選手は5打数3安打1打点でチームの3連勝に貢献しました。

一方、大谷選手は今永投手に3打席の対戦でいずれも抑えられ、この日は4打数ノーヒットで打率は2割9分に下がりました。

【談話】山本 「ことしトップにいいぐらいの感覚」

山本投手はおよそ3か月ぶりの復帰登板を終えて「ことしのなかでもトップにいいぐらいの感覚で投げられた」と充実した表情を見せました。

そのうえで「長くリハビリしていたのでやっぱりいつもとは違う気持ちは多少あったが、なるべく落ち着いて試合に入れるように取り組んだ。投げ終わったあとの喜びはすごく大きかったし、リハビリを頑張ってきてよかった」と振り返りました。

そして今永投手との投げ合いについては「メジャーで同じ試合に出場できることがすごくうれしく感じたし、今永投手は立ち上がりをすごく球数少なく抑えていて見てて勉強になるところがたくさんあった。これから何度も対戦できるように頑張っていきたい」と刺激を受けた様子でした。

山本投手は前日の練習でサイ・ヤング賞を3回受賞しているチームメートのカーショー投手から変化球についてのアドバイスを受けたことを明かし「変化球がうまく決まらず、練習していたところにアドバイスをもらった。三振もたくさんとれて、変化球がすごく決まったのはアドバイスのおかげで、いい感覚を自分のものにできるようにしたい」と話していました。

そして、今後の戦いに向けては「調子がいい状態で10月を迎えられることがいちばんだ。自分の仕事に集中してやっていくことがチームのためになればいいと思う」と気を引き締めていました。

【談話】今永「山本の投球が僕を引っ張ってくれた」

今永投手は、試合後にグラウンド上でNHKのインタビューに応じ「逆転でチームが勝ててうれしい。試合前は正直あまり調子がよくなかったが、きょうの山本投手のピッチングを見てこのままじゃチームが劣勢に追い込まれると感じた。3失点はしたが、彼の投球が僕を引っ張ってくれた」と4回を投げて8つの三振を奪う好投の山本投手との投げ合いを振り返りました。

また、ノーヒットに抑えた大谷選手との対戦については「勝負の世界というのは紙一重なので、あれがホームランかアウトになるかは運。きょうは少しだけ運が味方してくれた」と話しました。

今永投手はこれで登板した試合で4連勝とシーズン終盤に再び調子をあげていて「自分につく勝利をまったく気にせず、チームにつく勝利を気にするというメンタルの持ち方がうまくいっている気がする。勝ったときに反省するのがいちばん幸せなので、きょうもしっかり反省してけがなくシーズンを過ごしたい」と充実した表情で話していました。

シーズン中はあと2回から3回の登板機会が予想されますが、シーズン14勝をあげれば大リーグ1年目の日本選手では2002年にドジャースの石井一久さんがマークした左腕の最多記録に並びます。

【談話】鈴木「相手のミスにつけ込んで点を取れた」

鈴木選手は終盤に逆転した試合を振り返り「ピッチャーがドジャースの強力打線をしっかりと3点で抑えて粘り強くやってくれたから、最後にいい攻撃ができた。本当にきょうはみんなよかった」と先発の今永投手をはじめとするチームメートをねぎらいました。

自身のタイムリーヒットから、その後相手のミスも絡んで一挙5点を奪った8回の攻撃については「どのチームにもやっぱりミスというのは出てくるので相手がミスをしたところで、僕たちがつけ込んでしっかり点を取れたというのがきょうの勝因だ」と満足した様子でした。

また、2三振に終わった山本投手との対戦については「スピードも速かったし、スプリットもあのスピードであそこまで落差があるとなかなか見切ることができず打つ手がなかった」と脱帽していました。

大谷 ブルペンで投球練習 手術後最多20球

大谷選手は試合前にブルペンでの投球練習を行い、手術のあと最も多い20球を投げ込みました。

大谷選手は去年9月に自身2回目となる右ひじのじん帯を修復する手術を受け、今シーズンは指名打者で試合に出場しながらピッチャーとしてのリハビリを続けています。

ことし3月にキャッチボールを再開したあと徐々に距離を伸ばし、先月からはブルペンでの投球練習も行っていて、10日の試合前には6日ぶりにブルペンでの投球練習を行いました。

大谷選手はまずグラウンドでキャッチボールを行い、キャッチャーが座った状態でカーブなどの変化球を確認してからブルペンに入りました。

ブルペンではストレートを中心に横に小さく曲がる変化球も投げるなど手術のあと5回目のブルペンで最も多い20球を投げ、終盤はコントロールに納得していない様子で左足を踏み出す動きを何度も確認していました。

大谷選手は今シーズン中にバッターと対戦する実戦形式の投球練習も行う見通しです。

日本選手4人の先発出場は17年ぶり

大リーグで日本選手4人が同じ試合に先発出場するのは2007年5月4日のマリナーズ対ヤンキース以来、17年ぶりです。

この試合ではマリナーズはイチローさんと城島健司さん、ヤンキースは井川慶さんと松井秀喜さんがそれぞれ先発出場しました。

試合は、井川さんが城島さんにソロホームランを打たれるなど4回8失点と試合を作れず、5番・レフトで出場した松井さんもソロホームランを含む3打数1安打1打点と活躍しましたがマリナーズが15対11で打ち合いを制しました。

マリナーズは1番・センターのイチローさんが4打数2安打、7番・キャッチャーで出場した城島さんが5打数3安打、2打点の活躍でした。

また、日本選手4人が同じ試合に出場するのは2013年9月13日のヤンキース対レッドソックス以来、11年ぶりとなりました。

この試合ではヤンキースの黒田博樹さんが先発登板し、イチローさんが7番・ライトで先発出場しました。

レッドソックスはリリーフで田澤純一投手と上原浩治さんが登板し、4人が同じ試合に出場しました。

試合はこのシーズン、11勝をマークしていた黒田さんが7回途中5失点で負け投手となり、イチローさんは4打数ノーヒットでした。

一方、レッドソックスは4点リードの8回に田澤投手、9回は抑えの上原さんが登板し、それぞれ無失点のピッチングで勝利に貢献しました。

レッドソックスはこの年、ワールドシリーズを制覇しています。

日本人対決に日本からも多くのファン

ドジャースの先発、山本由伸投手と大谷翔平選手、それにカブスの先発、今永昇太投手と鈴木誠也選手という4人の日本選手が出場する試合には日本からも多くのファンが訪れました。

千葉県から来た男性は「日本選手対決ということでとても楽しみにしています。今永投手も調子がいいですが、やっぱり大谷選手にホームランを打ってほしいです」と話していました。

また、大阪府から訪れたという阪神ファンの男性は、プロ野球時代には対戦相手として今永投手と鈴木選手の試合をよく見ていたということで「大谷選手が注目されていると思いますが、カブスの2人もいい活躍をすることに期待したいです。大谷選手は記録も迫っていますし、4人全員が活躍するところを見たいです」と話していました。

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