【日本-シリア】前半、ドリブルする中村敬斗=エディオンピースウイング広島で2024年6月11日、中川祐一撮影

 サッカーの2026年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で中国代表に7―0で大勝した日本代表のゴールラッシュは、ベンチからはどのように映ったのか。代表で得点源の一人に成長し、この試合は出番のなかった中村敬斗選手(24)=スタッド・ランス=に話を聞いた。

 「前半から向こう(中国)にほぼチャンスを作らせなかった。先制点を取れたのが、まず大きかったと思う」

 試合後の埼玉スタジアムで取材に応じ、中国戦の第一印象をそう語った。

 「(7―0という結果は)全然想像していなかった。最終予選で7―0はあまり見たことがないので、すごいなと思う。ゴールを取る前の動きやボールの持ち運びなど、個人のゴール前でのプレーの質が高いと思った。個の能力が高い選手が、すごく多いんだなと感じた」

【日本-タイ】後半、追加点を決めて笑顔を見せる中村敬斗(中央手前)=国立競技場で2024年1月1日、藤井達也撮影

 この日は自身と同じ左ウイングが本職の三笘薫選手(27)=ブライトン=が今年1~2月のアジア・カップ以来の代表戦出場を果たし、約1年3カ月ぶりのゴールも決めた。

 「(三笘選手は)誰が見てもすごい選手。まだまだ学ぶことがいっぱいある。僕が出た時は違ったプレーや良さを発揮したいけど、外から見ていて『今日もすごいな。見ていてすごく面白いな』と感じていた」

 中国戦では所属先が同じ伊東純也選手(31)が後半途中から出場。アジア・カップ期間中に性加害疑惑が報じられて代表を離脱していたチームメートは、約7カ月ぶりの代表戦復帰の舞台で、いきなり1得点2アシストと結果を残した。

 「『代表の伊東選手が帰ってきたんだな』と感じた。僕自身はそんなに長く(代表に)いるわけではないので、『帰ってきた』と言うのも変だけど。(1得点2アシストの活躍は)別に驚きもしない。ランスでも必ず毎回アシストをしているし、得点も前回の試合で取っている。目に見える結果をいつも出しているので」

 自身は23年3月の代表デビュー以降、代表戦10試合出場で8得点とハイペースでゴールを重ねているが、この日は出場機会が訪れなかった。

 「もちろん試合に出たい気持ちは強いけど、自分が出た時にやるだけ。出るか出ないかは、僕が決められるわけではない。そこはチームの兼ね合いもあるので。代表はやっぱり特別な舞台だし、競争相手もレベルが高い。練習から良いプレーを見せて、次は少しでも(出場)時間をもらえたら、勝てるように頑張ります」

 10日(日本時間11日未明)にアウェーでバーレーンと対戦する最終予選第2戦に向け、そう語って取材エリアを後にした。【高野裕士】

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