野球のU18(18歳以下)アジア選手権に出場中の高校日本代表は5日、台北で翌日に控えた2次リーグの台湾代表戦に向けて公式練習を行った。

 この日は、パキスタン代表として台湾入りしていた青森・三沢のエースで4番ジャン・ハスネン(18)を練習に招待した。

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 ジャンは小学4年から日本で暮らすパキスタン人。パキスタン代表は国内から参加予定だった選手が渡航できず、ジャンや米国、カナダから台湾入りした6人でオープニングセレモニーに参加したが、人数がそろわずに大会を棄権。そのことを知った日本代表が練習に招待した。

 今春の選抜大会優勝した群馬・健大高崎の捕手、箱山遥人らと会話をしながらアップを終えると、投手練習に参加。今夏、日本一になった京都国際のエース中崎琉生とキャッチボールをした。

 練習後半には打撃練習へ。昨春まで東京・日大三で指揮をしていた小倉全由監督から直接指導を受けた。「一言でスイングが変わる」とジャンが驚いたように、フリー打撃では左翼へ柵越えを放ち、日本代表選手から祝福された。小倉監督も「(日大)三高に呼びたかった」とたたえた。

 その〝ホームランボール〟は箱山から、日本代表の帽子を主将の間木歩(兵庫・報徳学園)から受け取り、最後は集合写真に収まった。ジャンは日本の大学で野球を続ける予定で「言われたことを自分のものにして頑張りたい」。

 日本代表選手たちも刺激をもらった。中崎は「野球に貪欲(どんよく)な選手だと感じた。自分たちが野球できる環境が当たり前でないことを改めて感じたし、野球ができることに感謝の気持ちをもって明日からの試合に挑みたい」。(台北=大坂尚子)

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