第154回九州地区高校野球大会第6日(九州地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は26日、佐賀市のさがみどりの森球場で準決勝2試合があった。神村学園(鹿児島)は延長十回タイブレークの末、唐津商(佐賀)にサヨナラ勝ち。明豊(大分)は終盤に勝ち越して鹿児島実を振り切り、27日の決勝は今春の選抜に出場したチーム同士の顔合わせとなった。

 (明豊5―3鹿児島実)

 甲子園という大舞台の経験は、やはり選手を成長させる。2番手で登板し、ロングリリーフを投げきった明豊の2年生左腕・寺本悠真は、その典型だ。

 選抜で敦賀気比(福井)との初戦に先発。7回途中まで無失点に抑えたのが大きな自信に。「どんな場面でも強気でいけるようになった」という。

 この日は、三回裏2死満塁のピンチで先発の有村皇我に代わってマウンドに。打席には鹿児島実の3番・下原口仁。初球をいきなりぶつけてしまい押し出し。続く4番・原田颯馬にも適時打を浴びて、この回2点を失う。しかし、四回以降、すぐに立て直した。

 適時打を浴びた五回以外は、すべて三者凡退。「左打者の内角を攻められた。今日は直球が走り、ストライク先行でいけた」。6回3分の1を投げて被安打は3本。8三振を奪い、四球はゼロという好投だった。「寺本が持ち味を出してくれた。甲子園の経験が生きた」と川崎絢平監督も成長を認める。

 いよいよ決勝の舞台にたどり着いた。「出番があれば、今日と同じように投げたい」と意気込んだ。(酒瀬川亮介)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。