【マツゲン箕島-エフコムBC】優勝しマウンドで抱き合って喜ぶマツゲン箕島の選手たち=栃木県足利市のジェットブラックフラワーズスタジアムで2024年9月3日、猪飼健史撮影

第48回全日本クラブ野球選手権大会決勝(3日、栃木県足利市・ジェットブラックフラワーズスタジアム)

○マツゲン箕島(和歌山)9―1エフコムBC(福島)●

 過去5回の優勝を誇るマツゲン箕島だが、選手全員が26歳以下で、多くが2000年代生まれ。前回優勝した19年のメンバーはいない。そんなフレッシュな打線がつながり、6回目の歓喜の輪を作った。

 序盤から攻めた。二回、敵失で得た1死二塁の好機に00年生まれの2年目、冨田泰生は「甘い球なら初球から」と決めていた。狙い通り、初球の外寄りの直球を引っ張り左前に運び、先制適時打とした。

 試合前、西川忠宏監督が「先制できるかがポイント」と話していた理想の展開に持ち込むと、三、四回には長短打に犠打も絡めて3点ずつ加え、終始、打線で圧倒した。

 21、23年は全国大会に出場したが、いずれも準々決勝敗退。打線が振るわず辛酸をなめた。01年生まれの4番・竹中夢翔は「個人個人が結果を求め過ぎてしまっていた」と話す。

 その反省から昨年の大会後、役割を明確化した。上位は出塁、中軸は走者を還し、下位は上位に良い形でつなぐ。打撃練習でも常に意識したことで打線のつながりが生まれた。

 決勝の三、四回に適時打を放って3打点を挙げた竹中は「(優勝は)チームとして攻撃ができた結果」と手応えを口にする。準決勝の強豪・大和高田クラブ戦も5番打者からの3連続適時打が飛び出すなど、6点を奪って快勝した。

 今大会は4試合で失点はわずか3と、守りからリズムを作る持ち味も健在だ。西川監督は「この勝利は選手にとってさらなる自信になったはず」。新たに加わった強力打線を引っ提げ、若き精鋭たちは京セラドーム大阪へ乗り込む。【牧野大輔】

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