10月に佐賀で開幕する国スポと全障スポ。地元の企業として“食”の面から選手を応援し大会を盛り上げようと補食用の“飲めるあんこ”を手掛けた老舗の和菓子屋を取材しました。

【菓心まるいち 企画マーケティング室 市丸翔大室長】
「“食”みたいなところから選手たちのパフォーマンスを支えていくことができたらいいなと」

佐賀市に3店舗を構える老舗和菓子屋「菓心まるいち」。
1950年の創業以来地域に寄り添いながら70年以上にわたって菓子作りの技術を磨いてきました。
そんな「菓心まるいち」が日本が誇る和菓子の新たな可能性を探った自信作。
国スポ・全障スポに出場するアスリートなどを応援したいと生み出したのが手軽においしくエネルギーを補給できる補食用のあんこ飲料「餡MMu(あんむー)」です。

【菓心まるいち 企画マーケティング室 市丸翔大室長】
「国スポなどにも出場する選手から海外遠征や大会に出るときなどにあんこを持っていきたいという声があったことが1番大きなきっかけ」

アスリートからの要望を受け市場調査などを行い、容器には密閉することで日持ちし持ち運びもしやすいパウチ型を採用しました。
味は3種類ありますが主な材料は小豆と砂糖のみ。
お湯に砂糖を溶かしてシロップをつくりアズキを茹でて絞った「生餡」を2回に分けて加え練り上げていきます。

【菓心まるいち 市丸剛製造部長】
「生餡からつくることによってアズキの風味をより閉じ込めやすくなる」

職人がつきっきりであんこの状態を見ながら火の強さを調整し飲めるほどなめらかな舌触りに。
納得のいく仕上がりになるまで何度も試作を繰り返し構想から完成までには約2年かかりました。

【菓心まるいち 市丸剛製造部長】
「やはり食感にこだわっているのでその食感をどうやって出していくのかということに1番苦労した。つくるの苦労したぶん、よろこびのほうが大きかった」

選手の声を受け手軽にエネルギー補給できるようにとつくられた「餡MMu」ですが、なぜアスリートの補食にあんこが良いのでしょうか。

【西九州大学健康栄養学科 堀田徳子教授】
「アスリートはトレーニングなどで非常にエネルギーを使う、糖質の補充・エネルギーの確保が非常に課題になる。あんこは糖度が非常に高い、そのぶん脂質が少ないというところで非常に吸収が良いので糖質をコンパクトに多くとるというところでは和菓子・あんこはおすすめ」

一方、世界の舞台でも実際に補食で「餡MMu」を取り入れているアスリートは…。

【大谷桃子選手】
「遠征長く行くとかなり体重落として帰ってきてしまうことが多いのでなるべく3食の食事プラスアルファで補食を入れるように気を付けている。糖分もとれて腹持ちも良くて遠征中や試合中にお腹空いたと思い頭回らなくなることが結構多くあるがそういうのが防げているかなと」

世界で活躍する選手も認める補食としてのあんこの有用性。
一方で、あんこを通して国スポなどで活躍が期待される佐賀の若きアスリートの力にもなりたいと考えています。

この日は多久市へ今年の国スポに出場する予定の高校生ゴルファーを訪ねていました。

【市丸】
「実際にいまどれか気になるものあったら」
【樋口】
「いいですか」

【樋口瑚子選手】
「いただきます。ん−めちゃくちゃあんこですね。おいしい」
【菓心まるいち 企画マーケティング室 市丸翔大室長】
「無添加の商品なので、それでいてちゃんとエネルギー補給にもなるのがあんこの魅力だったり可能性だったりするんじゃないかと思って僕たちはこういう商品づくりをしている」

試食してもらいながら選手が普段どのように補食を取り入れているのかなどを聴き取り、それを踏まえ「餡MMu」について直接説明しました。

【樋口瑚子選手】
「甘さが結構あるので集中力てきな面などそういう面ではすごくとりやすいと思って、いいなと。国スポはやはり佐賀のものを食べて自分の力に蓄えて頑張りたいなと思う」

いよいよ開幕まで2カ月をきった国スポ。
これまで地域の人たちに支えられてきたことへの恩返しの思いも込め、自分達にしかできないやり方で選手を応援したいと話します。

【菓心まるいち 企画マーケティング室 市丸翔大室長】
「佐賀県内で70年以上やっている地元の企業として大会をより盛り上げていくところに力を注いでいきたいと思うし、それに参加する選手たちにも食の部分からではあるが選手のサポート、支えになっていけたらいいなと思っている」

餡MMuは1本389円で菓心まるいちの店舗や公式オンラインショップなどで購入できるということです。

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