カタール戦の延長前半、決勝ゴールを決め、駆け出す細谷=ドーハ(共同)

 ついに日本のエースストライカーが目覚めた。サッカー男子のパリ五輪アジア最終予選を兼ねたU―23アジア・カップ第10日、25日のカタール戦、2―2の延長後半10分に勝ち越し点を奪ったのは、ゴールから遠ざかっていた細谷だ。五輪にあと1勝と迫る4強へ導き「今日、決めなかったら自分の価値は下がると思った。価値を証明できた」と会心の一撃を喜んだ。  交代を準備する控えFW内野航が視界に入っていた。「ここで終わったら、サッカー人生、終わる」との覚悟を決めた。藤田の縦パスを受けて反転した荒木から、わずかに外へ膨らんでコースをつくった細谷の足元にラストパスがぴたりと来た。相手を背負いながら完璧なトラップ。右足シュートはGKの股下を抜けてネットを揺らした。  今年はJ1で7試合、フル代表3試合、U―23の5試合でノーゴール。これだけ得点がないのは「高1、2年以来」だったが、ようやく長かったトンネルを抜けた。  「大アウェーの中で決めたのも、うれしかった」。パリへの切符獲得へ、点取り屋の復活は心強い。(共同)


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