野球の高校日本代表が出場する第13回U18(18歳以下)アジア選手権が2日、台湾で開幕する。1次リーグはライバルの韓国、台湾とは別組で、2次リーグ以降での対戦が見込まれる。今年から指揮を執る小倉全由監督(日大三高前監督)の下、第11回大会(2016年)以来2大会ぶり6度目の頂点を狙う。

  • 小さなグラウンドで培った守備と打撃、真夏の甲子園で結実 京都国際

 監督は守りからリズムをつくる野球を掲げる。木製バットで長打が期待できない分、鍵を握る投手陣は、連投は40球以内などの投球数制限があり、3連戦の1次リーグは短い回での継投が基本になる。小倉監督も「連投できる球数でいきたい」と話す。

 初戦の香港戦の先発は、1年時からエースナンバーを背負い、4季連続で甲子園出場と大舞台に慣れている右腕、高尾響(広陵)に決まった。1日にあった台北ドームでの公式練習では、ブルペンで約30球を投げて調整し、「勢いを作れるようにやっていきたい」と意気込んだ。

 今年の代表には、W杯で優勝した昨年の前田悠伍(大阪桐蔭、現ソフトバンク)のような絶対的エースはいない。監督は高尾に加え、「先発でいけると思う」と2投手に期待する。

 まず、今夏の甲子園で優勝した投手の左腕、中崎琉生(るい)(京都国際)は大学生との2試合で計4回1失点。140キロ台前半の直球に、スライダーやチェンジアップを交えた緩急巧みな投球が光った。

 もう1人は、今春の選抜で準優勝した右腕、今朝丸裕喜(報徳学園)。最速151キロ右腕は、大学日本代表との壮行試合で2回をわずか20球、無安打投球と安定している。

 明るい材料もある。国内合宿の途中から体調不良が続いていた坂井遼(はる)(関東第一)が1日の練習に参加した。今夏は地方大会から全て救援登板で、奪三振率の高い右腕が復帰すれば、救援陣も厚みを増す。

 野手陣は練習で快音を響かせた。石塚裕惺(花咲徳栄)や、普段から木製バットを使う花田悠月(智弁和歌山)が軸になる。花田は「自分のスイングで振り切ることを意識した。感触はいい。やってきたことを継続するだけ」。

 小倉監督は「選手たちは早く試合をやりたくてしょうがない感じ。どれだけ硬くならずにやれるか」と話す。7イニング制だけに、早めに先取点を取りたい。(台北=大坂尚子)

日本代表の日程と対戦相手

▼1次リーグB組

9月2日午後1時半(日本時間午後2時半) 香港

 3日午後1時半(同2時半) スリランカ

 4日午後6時半(同7時半) フィリピン

▼2次リーグ 6、7日

▼決勝・3位決定戦 8日

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