2026年のワールドカップはアメリカ、カナダ、メキシコの共催で行われ、8大会連続の出場を目指す世界ランキング18位の日本は、9月に始まるアジア最終予選で、▽9月5日に87位の中国と、▽9月10日に80位のバーレーンと対戦します。

29日は日本代表の森保一監督が千葉市内で記者会見を開き、この2試合に臨む27人のメンバーを発表しました。

イングランドプレミアリーグ、リバプールの遠藤航選手や、スペイン1部、レアルソシエダードの久保建英選手など主力が順当に選ばれたほか、ディフェンダーではパリオリンピックに出場した川崎フロンターレの高井選手と、J1で首位を走るFC町田ゼルビアの望月ヘンリー海輝選手が、初めて選ばれました。

また、性被害を受けたとして刑事告訴され、その後嫌疑不十分で不起訴となった、フランス1部、スタッドランスの伊東純也選手と、腰のけがで招集を見送られていた、イングランドプレミアリーグ、ブライトンの三笘薫選手は、ことしのアジアカップ以来およそ半年ぶりの代表復帰となりました。

アジア最終予選は、18チームが6チームずつ3つのグループに分かれてホームアンドアウェー方式の総当たりで戦い、それぞれ上位2チームがワールドカップへの出場権を獲得します。

メンバー27人は

中国戦とバーレーン戦に臨む日本代表のメンバー27人です。(カッコ内は年齢と所属)

【GK】
▽鈴木彩艶選手(22・イタリア1部 パルマ)
▽大迫敬介選手(25・J1 サンフレッチェ広島)
▽谷晃生選手(23・J1 FC町田ゼルビア)

【DF】
▽谷口彰悟選手(33・ベルギー1部 シントトロイデン)
▽町田浩樹選手(27・ベルギー1部 サンジロワーズ)
▽板倉滉選手(27・ドイツ1部 メンヘングラートバッハ)
▽菅原由勢選手(24・イングランドプレミアリーグ サウサンプトン)
▽長友佑都選手(37・J1 FC東京)
▽中山雄太選手(27・J1 FC町田ゼルビア)
▽望月ヘンリー海輝選手(22・J1 FC町田ゼルビア)
▽高井幸大選手(19・J1 川崎フロンターレ)
望月選手と高井選手は初選出です。

【MF・FW】
▽遠藤航選手(31・イングランドプレミアリーグ リバプール)
▽伊東純也選手(31・フランス1部 スタッドランス)
▽浅野拓磨選手(29・スペイン1部 マジョルカ)
▽南野拓実選手(29・フランス1部 モナコ)
▽守田英正選手(29・ポルトガル1部 スポルティング)
▽鎌田大地選手(28・イングランドプレミアリーグ クリスタルパレス)
▽三笘薫選手(27・イングランドプレミアリーグ ブライトン)
▽小川航基選手(27・オランダ1部 NECナイメヘン)
▽前田大然選手(26・スコットランドプレミアリーグ セルティック)
▽旗手怜央選手(26・スコットランドプレミアリーグ セルティック)
▽堂安律選手(26・ドイツ1部 フライブルク)
▽上田綺世選手(26・オランダ1部 フェイエノールト)
▽田中碧選手(25・ドイツ2部 デュッセルドルフ)
▽中村敬斗選手(24・フランス1部 スタッドランス)
▽久保建英選手(23・スペイン1部 レアルソシエダード)
▽細谷真大選手(22・J1 柏レイソル)

森保監督「タフな戦いをW杯本大会につなげたい」

森保一監督は、アジア最終予選について「非常に厳しい戦いになると思うが、勝っていく覚悟を持ち、目の前の試合に向けて最善の準備をして、全力を尽くして粘り強く戦いたい。日本には非常に良い選手もそろっているし、それぞれの個人の力、そしてチーム力を発揮すれば、必ず結果はついてくる。過酷な環境も経験すると思うし、想定外のこともあるが、選手たちがそこを乗り超えていく力を培っていく、そうしたタフな戦いをワールドカップ本大会につなげたい」と意欲をみせました。

初選出となった川崎フロンターレの19歳、高井幸大選手については「パリオリンピックに出て、国際試合の中でも非常に高いポテンシャルと、クオリティーのあるプレーを見せてもらった。まだ完成された選手ではないので、これから日本代表の活動を通してよりよい選手に成長してもらいたい」と期待を口にしました。

アジアの出場枠拡大も 楽観はできず

次のワールドカップは、出場チームが「32」から「48」に拡大され、これまで最大で「5」だったアジアの出場枠も、最大で「9」に広がります。

アジア最終予選は、2次予選を勝ち抜いた18チームが、3つのグループに分かれて総当たりで対戦し、各グループの上位2チームが出場権を獲得。これでまず6チームが決まります。

さらにグループの3位と4位、合わせて6チームが、2つのグループに分かれて戦い、それぞれ首位になった2チームも出場権を手にします。

そして、大陸間プレーオフでも1チームが出場できる可能性があります。

今回のアジア最終予選、8大会連続の出場を狙う世界ランキング18位の日本は、「グループC」で、▽24位のオーストラリア、▽56位のサウジアラビア、▽80位のバーレーン、▽87位の中国、▽133位のインドネシアと対戦します。

ことし9月から来年6月まで続くこの戦いで上位2チームに入り、本大会に向けたチーム作りに時間を割きたいところですが、オーストラリアとサウジアラビアはともに前回のカタール大会に出場した強豪で、過去の予選では何度も苦しめられてきました。

ランキングが最も低いインドネシアにしても、ことし開かれた23歳以下のアジアカップで韓国に勝ってベスト4に勝ち進むなど、アジアのチームの成長は目覚ましく、侮れません。

出場枠が拡大されたとはいえ、決して楽観はできず、ワールドカップへの道のりはやはり険しいものになりそうです。

長谷部誠さんの代表コーチ就任を発表

アジア最終予選に臨む日本代表に、その厳しさと戦い方をよく知る頼もしい指導者が加わることになりました。

29日の会見で、日本代表のキャプテンとして3大会連続でワールドカップに出場し、昨シーズンかぎりで現役を引退した、長谷部誠さんのコーチ就任が発表されました。

森保監督の強い要望で実現したということで、森保監督は理由について「コーチとしての道はまだスタートしたばかりだが、より選手に近い視点から、これまでの経験を選手たちに伝えてほしい」と述べました。

長谷部さんは、現役時代に在籍したドイツ1部のフランクフルトでセカンドチームのアシスタントコーチを務めていますが、日本サッカー協会の山本昌邦ナショナルチームダイレクターは「代表戦が行われる期間はこちらに来ていただけると、フランクフルトからも好意的な返答をもらった。最終予選だけでなく、ワールドカップでのコーチも視野に入れている」として、所属クラブとの兼任で本大会まで継続してコーチを依頼する考えを示しました。

森保監督も「世界一を目指して戦う中で、彼のヨーロッパでの経験は、わたしたち日本代表にとって間違いなく必要になる」と大きな期待を寄せました。

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