パリ五輪の激闘の余韻が続く中、卓球の国内最高峰の舞台・Tリーグが8月24日に開幕する。「静岡ジェード」の監督兼任の森薗政崇 選手は2季目の挑戦に決意を燃やしている。パリで闘った日本代表に練習パートナーとして同行し、世界を肌で感じてきた彼にチームを更なる高みに導く覚悟を聞いた。

前期は男子MVPを獲得

日本中を興奮と感動の渦に巻き込んだパリ五輪。

卓球では女子のエース・早田ひなが2つのメダルを獲得するなど、男女とも堂々の戦いを見せてくれた。

いまだ快挙の余韻が冷めやらぬ中、舞台は国内へ!いよいよ8月24日から最高峰のTリーグが7年目のシーズン開幕を迎える。

静岡市に拠点を置く「静岡ジェード」も2年目のシーズンだ。その旗頭は監督 兼 選手の森薗政崇。これまで伊藤美誠や張本智和と共に日本一を成し遂げた真骨頂のダブルスで、昨季は圧倒的な存在感を発揮した。

開幕戦の歴史的な1勝から破竹の6連勝で、リーグ初のプレーイングマネージャーとして八面六臂の活躍が評価され、前期の男子MVPを獲得した。

さらに“ダブルスの名手”の異名そのままに、最も勝ち星をあげたベストペア賞も受賞。記録ずくめの1年となった。

静岡ジェード・森薗政崇 監督 兼 選手:
新しいチームを立ち上げて、そこでたくさんの人に注目してもらえて、応援してもらえて支えてもらって、本当に目に見えない力が、僕の成績に直結したんだというのを感じた1年でした

卓球教室でファンの心をつかむ

自身の成績だけでなく、チーム名「ジェード」の由来となった静岡市の鳥「翡翠(カワセミ)」のように、 県内各地を飛び回ってきた卓球教室を開き着実にファンの心をつかんだ実績が評価され、今シーズンは開幕カードに選ばれた。

昨シーズン6チーム中4位ながら異例の大抜擢だ。

静岡ジェード・森薗政崇 監督 兼 選手:
すごく光栄なことだと思っています。例年であれば昨シーズンの1位、2位のチームが戦うところを、僕たち4位だったのですが、それでもやっぱ選んでもらえたというのは、この1年間に僕たちがしてきたことを周りの人に評価してもらえたんだと、すごくうれしく思っています

パリ五輪で早田や張本から学ぶ

知名度が高まってきたからこそ、より実力も求められる今シーズン。昨季はあと一歩届かなかった3位以内のプレーオフ進出を目指している。そのためのヒントが海外遠征にあった。練習パートナーとして帯同したパリ五輪の経験だ。

静岡ジェード・森薗政崇 監督 兼 選手:
やはり覚悟の大きさがすごく重要と感じた。たとえ腕をケガしていても、最後まで自分のパフォーマンスを出し切る。あの早田の姿勢はやっぱり感動したし、(張本も)僕より年下で後輩ですけど、「日本のためにメダルを持ち帰ろう」という思いの強さや自分がエースで「絶対に点数を取らなきゃ」という責任感の強さ、本当に後輩ながら見習うべきところが多くて、すごくたくさん勉強させてもらいました

「去年の自分を超える」

静岡の卓球界に新たな風を吹かせたカリスマは、日本代表のエースの姿を見て自らのさらなる成長への糧とする。舞台は違っていても卓球にかける情熱は同じ。飽くなき野心と向上心を胸に挑む国内最高峰の戦いがいよいよ始まる。

静岡ジェード・森薗政崇 監督 兼 選手:
いま静岡ジェードのどの選手と話しても、緊張よりもワクワクが勝っている。みんなが楽しみにしている試合なので、それに向けて、緩まない準備をしてしっかり戦うだけ。昔から自己新記録への挑戦を目標に掲げてずっと卓球をしてきたので、去年の自分を越えられるような仕掛けや準備をしていきたい

Tリーグは8月24日に東京・代々木第二体育館で開幕し、静岡ジェードは昨シーズンの王者・木下マイスター東京に挑む。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。