プロ野球・巨人

●巨人1―2広島○(22日・東京ドーム)

 143試合の長いシーズンを勝ち抜くため、けが人の穴を埋める「代役」は欠かせない。広島と激しい首位争いを演じる巨人に、若きヒーロー候補が生まれた。高卒2年目の浅野翔吾だ。

 両チーム無得点で迎えた六回1死一、二塁。浅野は「何とかくらいついて得点につなげたい」と初球のやや低めの直球を積極的に振り抜いた。打球は右翼手の前で弾み、先制適時打になると、一塁ベース上で力強く手をたたいて喜んだ。

 今季は開幕1軍に入ったが、不振で4月8日に出場選手登録を外れた。再びチャンスが巡ってきたのは、8月に起きた主力の故障がきっかけだった。

 3番のヘルナンデスが11日の中日戦で左手首を骨折して、戦線を離脱した。その代わりに12日から1軍に合流したのが浅野だった。

 すると14日の阪神戦で今季初安打がプロ初の満塁本塁打となった。21日の広島戦も1点を追う七回に値千金の適時二塁打を放つなどチームを救う打撃が光る。

 高松商高時代に夏の甲子園で4本塁打と活躍したスラッガーが、プロでも夏に元気な姿を見せている。今季のスローガン「新風」を体現するような19歳が、優勝争いの大詰めに向け、チームに欠かせない存在となっている。【川村咲平】

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