決勝を前に練習に臨む関東一の選手たち=兵庫県西宮市で2024年8月22日、渡部直樹撮影

 第106回全国高校野球選手権大会は最終日の23日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で関東一(東東京)―京都国際の決勝が行われる。両校、夏の甲子園初の決勝進出で、どちらが勝っても初優勝。高校野球の「聖地」で全国の頂点を懸けて激突する。

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 決勝前日の22日、関東一は西宮市内の球場で、バッティングなどの練習で軽く汗を流した。高橋徹平主将(3年)は「持ち味の守備からリズムを作り、一戦必勝で目の前の試合に集中したい」と冷静に語る。

 関東一は今年、8年ぶりに春のセンバツ出場を果たし、1回戦で八戸学院光星(青森)と対戦。満を持して挑んだ開幕戦だったが、延長十一回の末、3―5で惜敗した。チームでもう一度、この甲子園に戻ってくると誓った。

 夏の甲子園で、東京勢の決勝進出は、2011年に全国制覇した日大三(西東京)が最後。東東京代表では、1995年に優勝した帝京以来、29年ぶりとなる。関東一の甲子園での最高成績は、87年春のセンバツ準優勝だ。今大会、打撃が本調子ではないという高橋主将は「欲もプライドも捨てたバッティングをしたい」と話し、「チームの雰囲気はいい。地元に優勝旗を持ち帰りたい」と意気込む。

 東京都江戸川区にある関東一では、パブリックビューイングでナインを応援する。21日の準決勝では、保護者や生徒、地域の住民などで150席ある視聴覚室が満席に。決勝はさらに人が集まるのを見込み、300人収容できる多目的ホールを用意した。事務長の小口真一さん(58)は「ここまで来たら優勝あるのみ」とエールを送る。

 学校の近くでビルメンテナンス会社を営む土屋英一さん(86)は、40年近く野球部を応援している。これまでピッチングマシンや練習用ボールなどを寄付し、甲子園に出場するたびに足を運んできた。「1試合ごとに強くなってきている。普段通りの試合運びをすれば大丈夫。優勝を目の前で見たい」と期待を込める。【大坪菜々美、小林遥】

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