第106回全国高校野球選手権大会の大会本部によると準決勝があった第13日(21日)までに、足がつるなど、選手に熱中症が疑われる症状が出たケースは計58件あった。

 大会終了時で計34件だった昨年より24件増えているが、58件のうち21件は「試合後、もしくは試合後のクーリングダウン中」に症状が見られた。

 新型コロナの影響で試合後のクーリングダウンを行わなかった前回大会では34件のうち「試合後」に症状が見られたのは1件だった。

 クーリングダウンでは理学療法士の指導のもと、ストレッチなどで体のケアを行っている。大会本部は「今大会から再開したクーリングダウンの間も理学療法士が選手を注意深く観察したり、丁寧に聞き取ったりした結果、試合が終わった後に時間が経過して症状を訴える選手も細かく把握できるようになった」と説明した。

 また熱中症の疑いは大会前半に多く、58件のうち49代表が初戦を終える第7日(13日)までに35件と約6割を占めた。昨年、一昨年も大会前半に多い傾向があったといい、大会本部は「甲子園という環境での試合に慣れていないことや、初戦の緊張が影響しているのではないか」としている。

 2部制を実施した第1~3日(7~9日)では計8件あり、このうち4件が午後4時以降に試合が始まる夕方の部で起きた。このため、当初は午後4時以降に始まる試合では原則設けないとしていたクーリングタイム(五回終了時、10分間)を、第4日(10日)以降は全試合で行った。

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