1932年のロサンゼルスオリンピックの馬術で金メダルを獲得し、男爵を意味する「バロン西」の通称で知られる西さんは、その後、太平洋戦争中に硫黄島で戦死しました。

西さんの義理のおいにあたり、埼玉県熊谷市に住む88歳の松本生さんは、パリオリンピックの馬術・総合馬術の団体で、日本が馬術では西さん以来、92年ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得したことを受けて、お祝いのことばを記した手紙を関係者を通じて選手たちに送りました。

21日はそのお礼にと、馬術日本代表の田中選手と根岸淳監督が松本さんが理事を務める熊谷市内の介護施設を訪れ、田中選手らは施設の職員に拍手で迎えられると地元の子どもたちから手作りのメダルをプレゼントされました。

このあと松本さんと面会した田中選手らは、松本さんが西さんから「これを俺だと思って持っていろ」と託されたという馬が描かれたバッジを見せてもらいながら、戦地に散った92年前の金メダリストのエピソードに耳を傾けていました。

田中選手が松本さんにパリ大会で獲得した銅メダルをかけて「ありがとうございます」と話すと、松本さんは「あなたたちのおかげでバロン西の名前が再び世に出てくれた」と感謝を述べました。

面会後、田中選手は「メダルを獲得していなかったらこういうつながりもなかったと思うので、メダルをとれて手紙をいただき感謝しかない。バロン西さんはロサンゼルスで金メダルをとられているので、次のロサンゼルス大会でもう一度チャレンジして、またメダルを獲得したい」と、4年後に向け気持ちを新たにしていました。

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