神村学園・小田大介監督

 第106回全国高校野球選手権大会は第13日の21日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で準決勝があり、神村学園(鹿児島)は関東一(東東京)に1―2で敗れ、初の決勝進出はならなかった。神村学園・小田大介監督は試合後、時折、言葉を詰まらせながら、選手への思いを語った。主なコメントは次の通り。

神村学園・小田大介監督

 (関東一の2番手・坂井遼投手に)うまく強弱をつけて、かわされた。ここ一番で気迫のこもったストレートがあった。本当にいい投手。脱帽です。

 積極的にバットを振れればよかったが、エラー絡みの失点をしてしまい、(戸惑いが広がってバットを)振りにいけなくなった。

 野球はミスをした方が負ける。それは間違いないと思うが、このチームはミスをしても取り返そうという強い気持ちで戦うことを決めていた。

 そういった意味では七回に3点目をやらず、よく守り切った。最後も粘って一打同点のところまで行った。紙一重のところでアウトになったが、強い気持ちを持ってバットを振ってくれた。本当によく頑張ってくれた。

 <1点を追う九回の攻撃は2死二塁から中前打が出たが、本塁タッチアウトで幕切れ>

 あそこは(二塁走者を三塁で止めず)回すべきだと私は思う。(三塁コーチは)よく回してくれたし、(二塁走者も)よく走ってくれた。

 本当にボール1個分でもそれていたらたぶんセーフだった。勝負は0・1秒、紙一重のところで争われていると思う。

 うちの選手もよくやったし、関東一の(中堅手の)子もよくあそこで投げ切った。お互い、すごくいいプレーだった。

 <不調だった4番の正林輝大選手について>

 苦しんだと思う。プレッシャーもあり、いろいろなものがあったと思う。

 その中でどっしり構えて、最後もしっかりスイングして、(二ゴロで一塁へヘッドスライディングをして)「なんとかセーフになってつなごう」という姿勢が走る姿に現れていた。立派に4番バッターとしての役割を果たしてくれた。

 <正林選手を4番から外さなかった>

 日ごろの積み重ねと、彼にはもっと大きな選手になってほしいので。逃げることは簡単だと思うが、そこで歯を食いしばって逃げずに努力したり、苦しい状況、つらい状況でもバットを振り続けたりして、努力できる子であってほしい。強く生きられる子であってほしい。

 彼は苦しかったかもしれないが、逃げずに立ち向かっていく勇気を持ってやらせようと思っていた。代える気はなかった。

 (今年のチームは)大人の集団というか、監督が見ていなくてもきちっとやるべきことをやれる集団になろうと言っていた。

 「これをしたら監督が怒るだろうな」「これをしたらやっぱりダメだよな」ということを、日ごろから自分で判断し、行動できる大人の集団になろうということで今日まで来た。

 だから、(九回のタッチアウトの)判断は間違っていなかったと思う。きちんと状況を把握して、判断して勝負にいってくれた。

 今日まで「大人の集団になろう」という言葉を合言葉にやってきた結果だった。大人の高校生を見ることができた。すごく成長を感じたので良かった。

 (選手への思いは)自分は好きじゃないです、あいつらのこと。愛しています。

 大事なお子さんを預かっている。立派で男前にしてあげたい。

 いい思いも、つらい思いも、苦しい思いも、いろいろなことを経験して、大きな男に成長してもらいたいと思っている。

 だから、愛情を注ぐのが一番大事かなと。愛がなくして人は育たないかなと思っている。

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