ベンチから開幕戦を見つめる水原一平氏=ソウルで2024年3月20日、AP

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(29)の通訳だった水原一平氏(39)の違法賭博疑惑で、米紙ニューヨーク・タイムズは10日、水原氏が大谷選手の銀行口座の設定を勝手に変更していた可能性があると伝えた。事情に詳しい関係者の話として、水原氏が大谷選手の口座からの「窃盗」を認め、司法取引に応じる方向で交渉が進められていると報じた。

 米スポーツ専門チャンネルESPNなどによると、水原氏は西部カリフォルニア州のブックメーカー(賭け屋)に借金があり、これを返済するため、大谷選手の口座から賭け屋の関連口座に少なくとも450万ドル(約6億8700万円)を送金した疑いが出ている。

記者会見に臨む大谷翔平選手(右)と水原一平氏=ソウルで2024年3月16日、AP

 同紙によると、捜査当局は水原氏が450万ドルよりも多い金を大谷選手から盗んだ可能性があるとみているという。また、水原氏が銀行口座の設定を変更し、大谷選手が送金などの取引について通知や確認を受け取れないようにできた証拠もつかんだと捜査当局が考えているとも伝えた。

 水原氏は、3月20日に韓国で行われた開幕戦後にドジャースから解雇された。その後行方は分からなくなっているが、同紙は水原氏が韓国からロサンゼルスに戻った際に当局側が接触したとも報じた。捜査当局は水原氏との関係性を確認するために大谷選手からも事情を聴いたという。【ニューヨーク中村聡也】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。