【智弁学園-京都国際】四回裏京都国際2死二塁、奥井が適時二塁打を放つ=阪神甲子園球場で2024年8月19日、渡部直樹撮影

高校野球・夏の甲子園準々決勝(19日)

○京都国際4―0智弁学園(奈良)●

 京都国際が3年前の準決勝で敗れた智弁学園に雪辱した。しかもチームの過去最高成績に並ぶ4強入り。攻守に活躍したのが京都国際の捕手・奥井颯大だ。

 両チーム無得点の四回2死二塁の好機で打席を迎えた。前の2試合で無安打に終わり、この日は打順が5番から8番に下がった。「開き直って、積極的に振っていこう」。1ボール、2ストライクから智弁学園の2番手左腕の真っすぐをとらえると、一塁手の脇を抜く二塁打で待望の先制点をもたらした。チームで徹底している低く速く強い打球を心掛けた。

 守っては、2年生左腕の西村一毅を好リードした。中盤から「チェンジアップを狙われていたので、内角直球を増やした」といい、西村を2回戦に続く2試合連続完封に導いた。その西村は「リードを信じ切って投げている」と話す。チェンジアップの西村、スライダーのエース中崎琉生(るい)と異なる決め球を持つ両左腕をリードして、3試合27イニングでゼロを並べ続けている。3試合連続完封について、奥井は「投手もうれしいと思うが、一番うれしいのは捕手」と喜ぶ。

 奥井は捕球してからの送球の速さを買われて、1年秋の近畿大会後に遊撃手から捕手に転向した。「配球に精いっぱいで周りが見えていなかった」と、今春のセンバツ1回戦で青森山田にサヨナラ負けした。その敗戦を糧に練習に励み、「練習量が自信につながっている。今大会を通じてチームは成長している」と実感する。

 準決勝は青森山田とぶつかる。「青森山田さんに育てていただいた部分もある。春のリベンジをしたい」と小牧憲継監督。チームで目標に掲げる4強超えと春の雪辱の舞台は整った。【武藤佳正】

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