第106回全国高校野球選手権大会で93年ぶりの8強入りを果たした島根代表の大社を応援するため、市民ら約250人を乗せたバス7台が19日早朝、甲子園球場(兵庫県西宮市)に向けて地元の島根県出雲市大社町などを出発した。大社は19日第4試合(午後3時45分開始予定)で神村学園(鹿児島)と対戦。強豪校を次々と破る県立高校の快進撃に地元はかつてないほど盛り上がっており、バスに乗り込んだ市民らは「甲子園では全力で応援したい」と力を込めた。
大社は1回戦で2年連続センバツ準優勝の報徳学園(兵庫)に3―1で勝利。2回戦の創成館(長崎)、3回戦の早稲田実(西東京)との試合はいずれも延長タイブレークの激闘の末に競り勝った。バスによる応援ツアーは地元の旅行会社が3回戦が終わった17日夜に企画し、すぐに完売したという。
1960年に大社が甲子園に出場した時に主将を務めた中筋和美さん(81)は「子どもたちは試合を重ねるたびに上手になり、成長を感じる。普段から練習試合や大会を観戦に行くが、甲子園での戦いはすばらしかった。今日の試合もロースコアに持ち込めば勝てる可能性はある。悔いなく戦い、甲子園を楽しんでほしい」とエールを送った。
また、同じく野球部出身で自営業の奥野暢さん(44)は「小技が大社の強みで、相手投手にダメージを与える野球が上手。OBとしては大社の活躍は本当にうれしい。全力で戦い、大社らしさを貫いてもらいたい。勝っても負けても全力で応援し、地元を盛り上げる」と語った。
大社の吹奏楽部だった会社員、高橋生子さん(41)は、17日に続いての現地応援。急きょ、勤務している会社の社長から休みをもらったという。「私は高校時代に吹奏楽部として県大会をスタンドから応援していたが、今回はめいっ子が吹奏楽部として甲子園で応援するので感慨深い。選手たちには泥臭く頑張ってほしい」と話していた。
大社高によると、学校側が準備したアルプス席の応援チケット2800枚はすべて配布した。準々決勝でも、地元の人たちで埋まったアルプス席から大声援が送られる。【松原隼斗】
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