大社・石飛文太監督

 第106回全国高校野球選手権大会は第11日の17日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で3回戦があり、大社(島根)が延長十一回タイブレークの末、3―2で早稲田実(西東京)にサヨナラ勝ちし、大社中時代の第17回大会(1931年)以来、93年ぶりの準々決勝進出を果たした。大社は15年の第1回の地方大会から出場を続ける皆勤校で、1大会3勝を挙げるのは初めて。大社・石飛文太監督は何度も涙をぬぐいながら激闘を振り返った。石飛監督の試合後の主なコメントは次の通り。

大社・石飛文太監督

 本当に最後までどうなるか分からない戦いの中、選手一人一人が自分の目標にぶれずに、正面からぶつかってこの勝利を手に入れたと思っている。途中から「難しい試合になるよ」というふうには言っていた。ただ、何人かには「サヨナラで決める」と言っていた。もう執念の一言じゃないでしょうか。

 <最後は馬庭優太投手がバットで決めた>

 本当はもう1イニング早く、馬庭に勝利をもたらしたかったが、なかなかみんな一生懸命やっている中で、うまくいかないことも出てくる。本当にこの子たちの可能性、選手の夢は無限大だなと思う。

 <馬庭選手の前を打つ安松大希選手は、今夏初出場だった。起用の理由は>

 もちろん初出場だというのはわかっていた。ただ、あの場面で選手を集めて聞いた。「ここでバント決められる自信がある者、手を挙げろ」と。そうしたら、安松が手を挙げて「サード側に決めてきます」と言ってくれた。私は信じるだけだった。(安松のバントを見て)泣けてきましたね。

 <馬庭投手も目に赤いものを浮かべながらの投球だった>

 そもそも今日投げること自体がもしかしたら厳しかったのかもしれない。先取点を取って、追加点が取れるところで取ってやれなかった苦しさ。その中でミスもありながらだが、失点を重ねてしまった。でも本当にうちが磨いてきた大社らしい1点にこだわる野球。そしてタイブレークでの守備。この子たちが主体的に取り組んで、自分らの課題に向き合ってくれた結果がまさかここで出るとは思わなかった。

 <九回は内野が5人守る相手の奇策もあった>

 早稲田実業さん、本当に素晴らしい学校で、強い学校。プロ野球選手を多く輩出しているし、勉強になるところが多い試合だった。

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