【石橋-青森山田】一回裏青森山田2死二塁、原田が2点本塁打を放つ(大会第6号)=阪神甲子園球場で2024年8月16日、吉田航太撮影

高校野球・夏の甲子園3回戦(16日)

○青森山田5―0石橋(栃木)●

 甲子園の深い所に飛び込んだ。青森山田の4番・原田純希が、鋭いスイングで大会第6号となる先制の2ランを放った。

 一回2死二塁。1ボールから内角の厳しい直球を見送った後の3球目だった。狙い通りの直球が高めに甘く来たところを仕留めた。高々と上がった打球は風にも乗って球場の中堅右に。打球を上げてしまうと飛距離が出にくい傾向がある低反発バットだが、それ以上にパワーとスイングスピードがあった。

 身長170センチ。高校野球は今春から低反発バットが導入されたため、原田は下半身のウエートトレーニングに重点的に取り組んだ。「増えると動けない」と体重97キロをキープ。兜森崇朗監督が「筋力量がすごい」というほどの体を作り、下半身もたくましくなった。

 初戦の2回戦は無安打に終わった。そのため、この試合では「力を抜いて、コンパクトに鋭いスイング」を心がけ、打球にバックスピンをかけるスイングを意識した。前後を打つ3番打者と5番打者は木製バットを使用するが、原田は「(バットが)折れるのが怖いから」と金属バットで打線の中心に立つ。

 目標とするプロ野球選手は、ソフトバンクで同じ左打者の柳田悠岐だ。「フルスイングしながらも捉えられる技術を尊敬している」。身長188センチの柳田とはもちろん体格は違う。ただ、バットの芯で捉えた力強い本塁打はインパクト十分で、スラッガーとしての潜在能力の高さを印象づけた。【荻野公一】

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