プロ野球・オリックス

○オリックス4―3西武●(24日・京セラドーム大阪)

 痛烈な打球が左翼線で弾んだ。殊勲のサヨナラ打を放ったのはオリックスの2番・紅林弘太郎。一塁を回ったところで味方の手荒い祝福を受け、丸刈りの頭を歓喜のシャワーでぬらした。

 同点の延長十回2死二、三塁。1番・福田周平が申告敬遠で歩かされて打順が巡ってきた。紅林は「周平さんも調子がいい。準備はできていた」と集中を途切れさせなかった。2ボール1ストライクから、甘く入った変化球を力みのないスイングで引っ張った。サヨナラの適時打に「僕が決めるというより、やることをやろうという気持ちだった」と声を弾ませた。

 昨季は遊撃手のベストナインを初受賞した22歳。チャンスで燃えるタイプだが、その強い気持ちが裏目に出てか、昨季までは得点圏での凡退が目立っていた。プロ5年目の今季は「中軸を打ちたい」と公言。「ちょっと頭を使うようになった」と、やるべきことを整理して臨んでいることが打席での集中につながっている。

 3失策をした13日の試合後、球場内で同期入団で仲が良い左腕の宮城大弥に頼み込み、長かった髪をバリカンで「サマーカット」にしてもらった。気持ちが切り替わったといい、14日の試合で2安打を放つなど不調だった打撃が上向いてきた。「髪の毛がなくなって、すごいボールが見えやすくなった」と冗談めかす余裕も出てきた。

 チームは今季初の3連勝で、貯金を「2」とした。リーグ4連覇を狙う王者の足取りが軽くなってきた。【石川裕士】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。