女子予選、山田千遥の段違い平行棒の演技=群馬・高崎アリーナで2024年4月11日、玉城達郎撮影

全日本体操個人総合選手権 女子予選(11日、群馬・高崎アリーナ)

山田千遥選手(ミズトリスポーツク)=52・699点

 1年前の悲劇を乗り越え、とびきりの笑顔で最高峰の舞台に戻ってきた。山田千遥選手(ミズトリスポーツク)は段違い平行棒で13・800点をマークするなど、演技の出来栄えを示すEスコアを重視した構成で決勝に進んだ。

女子予選、山田千遥の平均台の演技=群馬・高崎アリーナで2024年4月11日、玉城達郎撮影

 2022年の世界選手権代表で有力選手として臨んだ昨年の全日本個人総合。予選は3位通過したが、決勝の跳馬で左膝を負傷。担架で運ばれ「正直もうダメだと思ってしまっていた」。病院では前十字靱帯(じんたい)断裂の重傷と診断され、リハビリ中は思うように筋力が戻らずに苦しんだが、細部まで丁寧にこだわる練習スタイルへと転換して徐々に復調した。

 「とても緊張した」という予選だが、終始楽しそうな表情で演技をやりきった。「いろんな方から最後は泣いているイメージと言われて。今回はその笑顔でずっといてねと言っていただけて、笑顔でいい演技が出せて良かった」。悲劇を越えて、決勝でも観客をワクワクさせる体操を目指す。【角田直哉】

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