(15日、全国高校野球選手権大会2回戦 神村学園4―3中京大中京)

 2点を追う九回裏、先頭の代打に立ったのは、中京大中京の寺島貫太選手(3年)。「何が何でも塁に出る」。直球をはじき返し、中前安打に。神谷倖士朗選手(3年)の適時打で生還した。

 今大会は主に三塁コーチとしてチームを支えてきた寺島選手は渥美半島に位置する愛知県田原市出身。寮は無く、自宅通学の部員がほとんどの中、数少ない下宿生だ。寺島選手を支えたのは、母や祖母が作る好物の回鍋肉(ホイコーロー)。学校での昼食は、2人から冷凍便で送られる手作りのおかずと、自ら炊いたごはんを詰めて持参する。「母は肉が多めで、祖母は野菜が多め」。食べればどちらが作ったかわかるという。

 この日、スタンドでは母や祖母が見守ってくれていた。試合後は悔しさをにじませながら、家族を思った。「一生懸命やっている姿を見せられたのが一番よかった」(渡辺杏果、辻健治)

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